内容説明
この世ならぬものたちにご用心。
怪異に潜む、切ない真実。
大英帝国を舞台におくる、青春×ホラー×ミステリーの傑作!
「奇譚蒐集家 小泉八雲」シリーズ待望の最新刊!
若き日の小泉八雲――この世の怪を蒐集するパトリックと相棒のオーランドの元に持ち込まれる奇妙な相談の数々。知らぬ間に教室にいる「何か」、曰くつきのドールズ・ハウスから消えた人形、女の霊に憑かれ死相を浮かべる青年――。怪現象に迫る二人を待ち受ける、切なすぎる真実とは。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
64
居る筈のない級友・ドールハウスの怪・寄宿舎の怪談会・降霊会と各々の物語のベースはどれも定番だが、保険目当てで死に追いやられた子供たち、或いは望まれない私生児の上流階級の扱い、十字路に埋められた骸、霊への呼びかけに使われた霊応盤(こっくりさん)、果ては水魔ケルピーの顕現等、当時の英国の実情や伝承を踏まえた創作に真摯な姿勢を感じさせる。なかでも寄宿舎での怪談会は散りばめられた蘊蓄も目新しく、怖さも味わえて結末の強引さはともかく興味深く味わえた。2023/08/23
よっち
37
大英帝国にはびこる数々の怪異。若き日の小泉八雲が、その裏側に潜む「悲しすぎる」真実に迫る青春オカルト・ミステリー第四弾。この世の怪を蒐集するパトリックと相棒のオーランドの元に持ち込まれる奇妙な相談の数々。知らぬ間に教室にいる「何か」、曰くつきのドールズ・ハウスから消えた人形、女の霊に憑かれ死相を浮かべる青年。雰囲気がある神学校内でどこか腫れ物を触るような扱いだった二人に、事件を通じて友人と言えるような存在も増えてきて、オーランドの次兄も気になりますが、何とも切ない真相に向き合う彼らの結末は良かったですね。2022/12/15
Kira
29
図書館本。第4巻。オーランドとパトリックに友達が少しずつ増えてきて、学園生活らしくなってきた。オーランドの次兄は、これから味方になってくれそうな気もする。パトリックの兄さんがどうなってしまったのか、気になる。続きが出るのはいつだろうか。2023/02/06
ひめありす@灯れ松明の火
25
読んでるうちはそうでもないのだけど読み終わるとああ好きな面白かったなと思えるシリーズです。時代考証とか考えるのも面白いです。2023/01/25
りらこ
24
期待通りの安定感。理屈の通らないこの世ならぬものの論理と、それを理解しながら解決していく感じがとても良い。そしておそらくこの4巻から読んでも大丈夫な書き方も嬉しい、少し忘れているから。でも林檎の話はなんとなく途中でこうかも!と予想して当たってしまった。珍しく。ホラーでミステリーで、友情。少しブロマンス。2022/12/15