内容説明
入社当日、私の前に現れた部長は身長3センチほどしかなかった。ハンデをものともせず、バリバリ仕事をこなしているように見えたのだが……。(「一寸上司」) 物々交換のプロ集団たちの会社。彼らは日夜、クライアントの目的の物を手に入れるべく、あの手この手で奮闘していた。(「わらしべエージェンシー」) なじみ深い昔ばなしを鮮やかに生まれ変わらせた12編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
142
田丸雅智マジック炸裂といったところでしょうか。日本昔ばなしと現代を、うまく融合させたショートショート。よくここまで、日本昔ばなしに“現代”という名のスパイスを入れてきたのかと感心してしまいました。どの話もたんたんと進むので、ちょっと単調かなという思いもしますが、そこは昔ばなし。どの話も、いつまでも長年にわたって読み続けられそうです。田丸雅智ワールドの日本昔ばなしを堪能。一家に一冊あってもいい作品ではないかと思います。2022/12/31
takaC
14
おとぎカンパニーシリーズはどんだけあるんだ?無印、日本昔話編、妖怪編、モンスター編、遅刻する食パン少女の5冊?あれ?でも妖怪編は違う題名で文庫になっていたのを買ったような気がする。2023/01/26
えつ
12
前作に引き続き文庫で堪能しましたー!前作よりも好きだったかもしれない。今作は日本昔ばなし編で、やっぱり昔ばなしを大胆にアレンジしてて。なんかもう全部、楽しく面白く読めて良かった。ショートショートだから読みやすいしね。誰もが知っている一寸法師や桃太郎、浦島太郎などなど、田丸さんの手にかかるとこんなストーリーになるんだ!って驚く。わたしはわらしべ長者と平将門、那須与一のお話が特に好きだったかな。次も文庫化待つぞー!2023/01/02
ぷに丸
6
昔話に由来する不思議な人や現象がまかり通っている現代世界が舞台の短編がたくさん詰まっていました。垂れもが知っている昔話のような結末をどう生かしていくのかとワクワクしながら読むことができました。2023/02/14
END
4
日本昔ばなしを現代風にアレンジするとこんな感じになるのね。オリジナルよりも酷いめに合わなかったり、更に追加でオチがついている様なものもあり平和だな~と感じた。サクッとテンポ良く読めちゃうのも潔くてとても良い。平将門の話が1番好みではあったけど、あれって日本昔ばなしなのかな?という疑問はある。2025/04/12