内容説明
元婚約者の結婚式に同行してくれた兄の友人――王弟フィルオードとの距離が縮まった子爵令嬢ルシア。お互いの胸に秘めていた想いを知り、2人は晴れて婚約するに至った。婚約が決まってからというもの彼女の世界は180度変わり、王家の人たちはもちろん上級貴族たちとの付き合いも必要になって結婚式の準備にお茶会に大忙しの日々。さらに“貧乏子爵令嬢が王弟に嫁ぐ”というシンデレラストーリーは社交界のみならず国中で話題となり、貴族でありながら自然体で不思議な魅力をもつルシアは多くの人々を魅了していく。そして、よく晴れた朝。王城の大きな鐘は鳴り続ける。王弟と一人の素朴な令嬢の慶事を全国民に伝えるために――。全編書き下ろし+特別編『最後の夜と、始まりの朝』を収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
陸抗
22
最終巻。ルシアの結婚へ向けた準備と、王族の仲間入りを果たすための繋がりを増やすために彼女とお兄さんが奮闘する回だった。フィルは別件で忙しかったみたいであまり出番は無かったけど、王姉と双子達が賑やかだったから、淋しさはあまり無かったなー。ラグーレンで一人になるか心配だったアルバスも、そんな事はなさそうで安心した。2023/01/19
すがはら
16
二人の結婚式までのあれこれ。王族の皆様が揃って好意的で良かった。貴族社会のど真ん中でルシアは純朴さをいつまで保っていられるのでしょうか。もっと強かさで野心的な娘でもそれはそれで面白がりながら受け入れたんでしょうね王族の方々は。1巻で婚約者を横取りした従妹の再登場の仕方が意外でしたが、嫌いじゃないです。一切恥じ入ることなく、旨味があるなら協力は惜しまないって態度を貫くところは清々しいほど。あとはお兄様の縁談話が欲しかったな。あのお兄様にどんな女性が勧められるのか大いに興味あったんですが。2023/02/05
anko
8
フィルさんの家族(王族)に受け入れられ貴族社会に馴染み、ルシアとフィルさんが結婚式を迎えるお話。悪い人が出て来ないので安心して読めました。アルベス兄さんの娘を嫁に出す様な心情が伝わって来てグッときます。切実にアルベス兄さんに優しくおっとりとしてラグーレン邸の庭に群がる騎士達にも怯まない懐の深い嫁さんを!! ルシアとフィルさんが幸せそうなので何より。ほんわかとあったかい気持ちで読了。(an)2023/02/25
きけき
2
元婚約者のギャフン頂けなかったのが残念でしたが……作家さんのアスベル愛が深く大好きなのがよく分かりました。う2023/03/31
bulbul
2
書き下ろし完結巻。王姉殿下ハル様はパワフルで、双子の行動力が愉快。心残りは兄アルベスがひとりのままな事。まぁ騎士団争奪戦を乗り越えて頼もしい誰かがやってくるかな。出番少なめのフィルが喜びに振り回されてたのが印象的でした。2023/01/09