内容説明
魔法青少年担当省・通称:ディコミーでケースワーカーとして働くライナスは、マーシャス島児童保護施設を存続すべきかどうかを調べる重要任務に抜擢された。 1カ月間の視察の期限が終わりに近づくにつれて、施設長アーサーと個性豊かな子どもたちに翻弄されながらも、彼らと向き合い、理解を深めてきた。 謎の多い施設長アーサーが気になるライナスは、地下室へとつながる扉を発見し、思いもよらない【事実】を知る。 そして、児童保護施設の存在を良く思わない村人たちも不穏な動きを見せたとき、ライナスとアーサーは強い意志で立ち向かうのだった── かけがえのない絆とロマンスを描く現代ファンタジー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かもめ通信
19
「誰にだって安心して過ごすことができる場所が必要なんだ」という強いメッセージとともに、シリアスな中にも笑いがいっぱい、面白くて、愛おしくて、強くてやさしい、繰り返し楽しみたい極上のファンタジー。2023/01/16
くろき
17
もっと彼らの優しくて楽しくてワクワクする世界で、小さいけど価値のある変化に果敢に取り組む姿を見たかった‼︎‼︎ と思うくらい好き。上巻を読んだら必ず下巻も読んでほしい‼︎ 影響しあって変化して成長する様子が、「家族」を感じました。遺伝とか肌色とか性別とか種族とかは全く関係なしに深い繋がりを持つことはできて、相手を思いやって自分を変えてでも守りたいと行動するのが「家族」の要素なんだろうなぁ。 同時にそういう繋がりは自分から動いて話して作ることができるっていうのを示すこの本は本当にYAとして最高だなと思う。2023/03/28
ねこねこ
9
上巻よりはややトーンダウンした感があるけど、すでに上巻で登場人物たちとこの世界が大好きになっていたので何度も泣きながら読了。ジェイ・ボーンとの出会いがよかった。魔法生物がいるからこの世界は多様なのではなくて、私たちはすでに多様なんだ。みんな違っていることのすばらしさを抱きしめて、無知からくる恐怖や偏見に負けずに生きていこうと思った。ところで検索すると「セルリアンクロニクル」として物語が続いていることを知った。あらすじを読むに今度はアーサーが主人公らしい。読みたい……!積読本たちと相談しながら検討する。2025/07/28
aiko
9
孤独でお腹周りが気になる40歳のライナスと子供達、そして不思議な施設長アーサーとの出会い。 島での夢のような1ヶ月の間にライナスをはじめ皆が変っていく様子が下巻でも丁寧に綴られます。 根強くある差別や偏見がここから少しずつほどけていくのだという希望溢れる素晴らしい読書体験でした。 読み終わりたくなかったと思わされる作品ですね。2023/06/23
クナコ
6
初読。うだつのあがらないいちケースワーカーとしての自分を受け入れ人生をあきらめていた主人公が、自身の本当の「家」をみつけ、幸せをつかんだラスト。本文中の言葉であり、帯にもある「宝物は予期していないときに現れる」という表現ががぴったり。始めは担当する施設にいる子どもの前情報を読んだだけで卒倒していた主人公が、最後にはその子供達のために所属組織の最高権力者たちに敢然と立ち向かうほどの気持ちの変化を見せたところがよかった。最後の主人公の選択については予測のしやすい結末だったが、読後感は良かった。2025/11/11




