交通誘導員ヨレヨレ日記

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交通誘導員ヨレヨレ日記

  • 著者名:柏耕一
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 三五館シンシャ(2019/07発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784866809045

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内容説明

喜びも笑いも涙もすべて路上にあり。
「誰でもなれる」「最底辺の職業」と警備員自身が自嘲する交通誘導員の実態を、悲哀と笑いで描き出す
――すべて実話の生々しさ――

全国55万人強の警備員の主流をなしている「交通誘導員」の人間臭いドラマを克明に描いた初めての作品。通行人にクレーム入れられ、現場監督に怒鳴られ、警察に注意され……。それでも私は今日も路上に立つ。

●はじめにより●
ガス管工事会社専従の若い同僚が、「警備員のことなんて書くことがあるんですか。第一、面白い話なんてないでしょう」と疑問を呈していたが、私はこう答えたものだ。
「それがたくさんあるんだ。なぜなら交通誘導員は一般的に毎日依頼先も現場も同僚警備員も違うからね。近隣住民やドライバーにもさまざまな人がいる。年齢も違えば多様な価値観を持つ人間の集まるところにはドラマが生まれる。私はそれを体験し見聞きしてきたから、面白くないはずがない」と。
日記形式の本文全項目はすべて私の体験が基になっている。心身ともにヨレヨレになりながら奮闘した話もあれば、滑稽な話、深刻な話もある。同業の人にも警備の世界の知識がまったくない人にも一読して何かを感じていただければ幸いである。

●もくじ●
まえがき─“最底辺の職業”の実態

第1章 交通誘導員の多難な日常
某月某日 トイレ掃除:警備業法違反を隊員に強いる隊長の弱味
某月某日 通行止:交通誘導警備員はお地蔵さまではない
某月某日 猛女:子連れ女性のたくましきパワー
某月某日 お金の話:警備員のリアルなフトコロ事情
某月某日 意気地なし:片交ができないと現場で尻込みする大男
某月某日 人は嘘をつく:妻に責められる私の、身勝手な弁解
某月某日 最高齢警備員:エロ爺さんは素敵な人格者

第2章 交通誘導員の喜びと悲しみ、時々怒り
某月某日 黄金譚:糞尿にまつわる滑稽きわまりない顛末
某月某日 大失敗:サイン拒否した親方の言い分
某月某日 花火大会:長岡大花火大会警備2泊3日道中記
某月某日 プライド「:大学出て警備員」は恥ずかしいのか?
某月某日 陽気な異邦人:外国人労働者たちとの交流
某月某日 パチンコ屋警備:監視カメラもあって気が抜けない
某月某日 職場放棄:我慢の限界を超えたとき
某月某日 承認欲求:警備員の喜びってなんですか?
某月某日 夜勤明けの出来事:どん底での犯罪の誘惑

第3章 どうしても好きになれない人
某月某日 誘導ミス:交通誘導警備員が一番恐れること
某月某日 たかが挨拶:なぜ挨拶をしない人が嫌われるのか
某月某日 駐車場警備:ドライバーの思いもよらぬ抗議に泣かされる
某月某日 好きになれなかった人「:いじめ」か「愛のムチ」か
某月某日 警備員は歯が悪い?:歯医者へ行く時間がないか金がないか
某月某日 通報される人:こんな行動は警備員失格!

第4章 できる警備員、できない警備員
某月某日 首振り人形: 2秒間隔で首を左右に振り続ければ警備員合格?
某月某日 コミュニケーション能力:警備員に外国人が少ないのはなぜ?
某月某日 できない警備員:ここにも能力格差は存在する
某月某日 家宅捜索:税金未払いで税務署員に部屋を捜索される
某月某日 枝道地獄:警備能力を超えた現場

長いあとがき


【発行】三五館シンンャ【発売】フォレスト出版

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

523
「ヨレヨレ」が気になって読んでみた。「当年73歳」の著者は編集プロダクションを経営していたが、負債を抱えてしまって会社整理の末、交通誘導員に。社会の”底辺の仕事”と言いながら、仕事のクールな分析と同僚や「わがままドライバー」などの人間観察が面白かった。「交通誘導員」はやたらに”誘導”をしちゃいけない! 似たような恰好はしているが警察官の”交通整理”とは違うのだ。法的拘束力はなく、相手の”任意的協力”で迂回してもらったり一時停止してもらう。理不尽さに耐えながら、仕事の面白さも表現され興味がわいた。2025/03/14

きみたけ

219
著者は、出版編集・ライター業に従事しつつ某警備会社に勤務し、交通誘導員として日々現場に立ち続けてきた柏耕一氏。「最底辺の職業」と揶揄される警備業の実態を日記形式で浮き彫りにした一冊。交通誘導員は楽だろうとのイメージを覆す、実際の労働環境や現場状況、また職場や地域住民とのコミュニケーション力の大切さがよく分かりました。警備員に対する勘違いとして、あくまでドライバーには迂回をお願いすることしかできない事。警察官は緊急時や危険時には赤信号でもクルマを通すことはできるが、警備員にはそんな権限はないんですよね。2023/12/02

utinopoti27

215
車を走らせているとよく見かける交通誘導員。炎天下、逃げ場のないアスファルトの上で、長袖長靴にヘルメットをかぶり、ただひたすら誘導棒を振り続ける・・。本書は73歳にして現役警備員の筆者が、実体験をもとに日記形式で内情を綴るお仕事エッセイだ。『社会の底辺』に位置するというだけあって、辛さのわりには報われず、やりがいも見出しにくいのだそう。それでも続けるしかない理由は、やっぱり自業自得というべきか。好奇心はそれなりに満たされるが、この仕事が超高齢化社会の受け皿かもしれないと考えると、暗澹とした気持ちになる2021/08/14

kinkin

184
雨が降ろうが槍が降ろうが、雪が降っても風が吹いても日夜たいへんな仕事だと思う。もしも交通誘導員の人がいなかったら道路工事ができない訳で、にもかかわらず暴言を浴びせたり嫌がらせをする輩のなんと多いこと。この本は当年73歳の著者がその体験をもとに書かれている。編集で話は多少盛られているかもしれないものの実際ありそうな話ばかりだ。高齢社会になってもこの仕事は誰かがやらねばならない。いくらAIが発達するとはいえ臨機応変に対応できる誘導員は必ず必要になると思った。図書館本2019/12/15

mint☆ 現在ログイン率低下

182
普段よく目にする交通誘導員さん。炎天下や寒さの中大変そうだなとは思っていたけれど、これを読んで驚いたことが5つあった。コミュニケーション能力が必要になる為外国人が少ないこと。警備員には資格制度もあること。著者の勤めている会社では警備員の8割が70代以上だということ。警備員に理不尽なクレームをつけている人が少なからずいること。そもそも私の認識が間違っていたのですが誘導員は工事関係者だと思っていたので驚いた。ヨレヨレ日記というより愚痴日記といった感じでしょうか。大変なお仕事です。2021/01/09

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