内容説明
〈クラーク賞/英国幻想文学賞受賞〉蒸気機関と魔術学が統べる都市国家ニュー・クロブゾン。中心に巨大駅ペルディード・ストリート・ステーションが聳えるこの暗黒都市で、統一場理論の研究を続ける異端の科学者アイザックは、ある日奇妙な客の訪問を受ける。自ら犯した大罪のため、翼を奪われた〈鳥人〉ヤガレクは、命にも等しい翼の復活をアイザックに依頼するのだった……。現代SF界の旗手が、SF/ファンタジイ・ジャンルの新たな可能性を示した巨篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
緋莢
13
都市国家「ニュー・クロブゾン」。蒸気機関と魔術学が統べるそこでは、人間だけでなく、サボテン人など、奇妙な姿のものも同居している。そんな中、科学者のアイザックは 〝鳥人”ヤガレクから、翼を奪われたことで失われてしまった飛翔能力の復活を依頼されるが…奇書が読みたいアライさんの有料note「るるぶ架空都市」(一部、無料有。早く同人誌にまとまらないかな)で紹介されていて、興味を惹かれた本。著者は『都市と都市』でお馴染み(ただし、こちらの作品の方が刊行が先です)(続く 2023/09/11
どらがあんこ
8
文量で敬遠しているなら是非手にとるべき。感想は下巻とまとめて。2018/11/17
ハルト
8
科学と魔術、さまざまな生物が融合し共存するおぞましき暗黒都市。都市の描きかた、人間以外の、肉体魔術を用いられリメイドされた人類や鳥人や昆虫人間だったりの描きかたが身震いするほどグロテスクな魅力溢れすばらしい。後半どのように物語が進むのか楽しみです。2012/06/27
kinka
7
ミエヴィルの本は、筋はオーソドックス(この本の場合恋と友情と勝利)だけど、世界観と哲学(この本の場合スチームパンクと魔術と異世界風味)が込み入っててこう、厨二心が騒ぐわけです。こういう混沌とした要素を纏めるものとして「都市」を描く、というのが彼のスタイルでありヒップホップ以降の価値観かなと思う。今小説で何か新しくて面白いことやろうとしたら、こういう風になるんじゃないかと。そういうわけで、架空の都市ニュー・クロブゾンの魅力がこの本の8割くらいを占めていると言っても過言じゃない。乗れない人にはお薦めできない。2016/04/11
けいちゃっぷ
6
上下巻で1100ページ強の厚さに恐れをなして1年ほど眠っていたが、『クラーケン』も出たことだしと読み始める。 ところがなかなかページが進まず、他の本に浮気してたり。 主要登場人物は、アイザック、リン、ヤガレク、ダーカンの4人なので、この4人の行動を追っていけばなんとかついていけるかなと思った頃には上巻は終わっていた。 モスラの登場でどうなるのか。 566ページ 2013/08/16