内容説明
名付け子バーニーと、彼女の友人レオが出席するシカゴの環境問題に関する集会に参加したヴィク。彼女はそこでクープという男を目撃する。その帰り道、おもちゃのピアノを弾くホームレスの女性と出会う。彼女の正体は、かつて一世を風靡した歌姫だった。不思議な出会いに驚くヴィクだったが、そこに突然クープが現れ、奇妙な警告を残して去っていく。ヴィクはこれを機にシカゴを揺るがす事件に巻き込まれることになり……
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tom
21
面白い。サラ・パレツキーかなりのお年のはず。そして調べてみると、この本は73歳のときのもの。そのお年で、これほどにテンポ感のあるミステリーを書くのですかと思ってしまう。主人公ヴィクは名づけ子に誘われて、興味もない集会に行った。これが出来事の始まり。奇妙な男が現れて騒ぎを起こす。その帰り道、名づけ子と歩いていたらピアノの音が聞こえて来た。これがすごい。覗いてみると、オモチャのピアノを弾く浮浪者。グリークの「白鳥」が浮かんでくる(「白鳥」を調べたけど、出てこない)。そして、悪い奴らが多々現れて・・・。2023/03/05
kyoko
16
S.J.ローザンのシリーズを復習してる間にこのシリーズを読むと、本当にヴィクって一人で戦ってるんだなあと思う。周囲の人たちのうちロティは助けになるとはいえ、別の意味だし、コントレーラスはプラマイ0だし、他の知り合いはトラブルの元だし・・・とにかく頑張れ!2022/12/18
Mc6ρ助
16
『「こう考えなさいよ、ヴィク。あなたはバケツの水の一滴かもしれないーーもしくは、砂漠のティースプーンかもしれない ――でも、あなたのティースプーンがなくなったら枯れてしまうひ弱な植物だってあるのよ。<ラ・リョローナ> へ行ってトルティーヤ・スープを飲んでから、水をすくって植物にかける作業に戻りなさい。・・」(p101)』かんばれ、我らがV・I・ウォショースキー!(年寄りばっかりの応援団で申し訳ない。50を過ぎてこんなに頑張るヴィク、新しい恋人もできて爺さまはついていくのに青息吐息だよ。)2022/12/09
nori
4
ウォーショースキーのシリーズはナイト・ストームでもういいかなぁと思っていた。唯、1947年生まれのパレツキーさんは後期高齢者なんですよね!それでまだまだ新作書くなんて!と、パラパラと読んでみたら、あらら、まあ❣️面白そう❣️コレは読まなきゃ。前作よりずっと良いではないですかぁ!ウォーショースキー制作チーム良くやった、ありがとう😆2023/08/15
いっこ
3
タイトルから情緒的な物語を想像していたのだけれど、シカゴを舞台とし、銃乱射事件、移民、環境問題などの社会問題を背景に、ウォーショースキーという女性私立探偵が活躍する探偵小説だった。「砂漠のティースプーン・・・」の役割を果たすという使命感を持つ彼女自身の生い立ちなどがなかなか見えてこず、登場人物たちとの会話から想像して読んだ。それも楽しかったが、上巻を読み終えたところで、ウォーショースキーシリーズがあると知る。 2023/05/14