シベリアのビートルズ――イルクーツクで暮らす

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シベリアのビートルズ――イルクーツクで暮らす

  • 著者名:多田麻美【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 亜紀書房(2022/10発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 540pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784750517698

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内容説明

《俺たちのアイドルは、レーニンじゃない。レノンだ!》

ソ連時代、ロック少年だった画家スラバと結婚し、ロシアに暮らし始めて5年。
そこに暮らす人々は破天荒でやけくそに明るい。

戦争が始まって、ロシアの人々は何を思う?
──ロシア暮らしの「いま」をリポートする。


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著者は、無類のビートルズファンである画家のスラバと結婚し、2018年からイルクーツクに暮らす。

西側の情報が入らないソ連下で、ロック少年として暮らしたスラバは、ペレストロイカをくぐり抜け、激変する社会を生き抜いてきた。


彼の波乱に満ちた人生と、自らの人生を重ねながら、別の価値観で動く社会のなか、人々はどのように暮らしているのか、アートや音楽や文学は、彼らをどのように支えているのか。

〈イルクーツクの人々の本音や生き方に寄り添う、海外事情エッセイ集〉

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スラバの数奇な半生を主旋律とし、そこに私の半生を対旋律のように織り交ぜつつ、両者が響き合うよう試みた。ドラムやベースの響きも聴こえてくるように、社会背景も適宜盛り込んだ。曲の合間には、個性あふれるスラバの友人たちの物語も、間奏のように挟み込まれている。──「はじめに」より

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【目次】

■はじめに

01.スラバの部屋
■1……シベリア、イルクーツク、Z通り一番地
■2……ビートルズで結ばれたきずな
■3……愉快でマイペースな仲間たち

02.ソ連に生まれ、ロシアに生きる
■4……サバイバルの時代
■5……ペレストロイカ・ノスタルジー
■6……夢見がちな野心家たち

03.二一世紀のビートルズ
■7……自分らしい表現を求めて
■8……遠ざかるソ連ロック・ビート
■9……過去との出会い
■10……戦争の暗雲

■あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

マリリン

40
音楽や芸術に溢れた町! 音楽は風のように...そんな言葉がしっくりくる。“声楽と器楽のアンサンブル”として認められていた『イマジン』や『バンド・オンザラン』。スラバと共に暮らすイルクーツクの部屋に集う人々。ビートルズで結ばれた絆や、潜水艦でイエローサブマリンを合唱した大道芸人フッケルの肖像画や、犬猫にメロメロのロック博士はインパクトありありだ。楽しく奏でる音が伝わってくる。あの頃を知り、現在のロシア事情を知り心が痛むが、ビートルズ愛に胸が熱くなる。平和を願う気持ちの温度差は意外だった。2023/06/10

kawa

33
権威になびかず自由や自分の価値観を大切にするロック魂。若かったあの頃の青さがほろ苦くも懐かしい。本書はロシアのシベリア、イルクーツクで中年、老年なってもそんな精神を忘れずにエンジョイor苦闘しているおじさんたちをルポ。ソ連崩壊からグラスノチ、強烈なハイパーインフレさらには現下のウクライナ侵攻。厳しい政治体制化のもとでもめげずに自分の生き方を貫くおじさんたちの姿が眩しい。2023/02/22

ばんだねいっぺい

32
縁を得て読書。国ごとに町ごとに人ごとに悲喜こもごも。それでもタフに生き抜いていくことの意味を考えさせられた。そして、イルクーツクへ行ってみたいなという気になった。2023/02/26

Nobuko Hashimoto

26
前半はシベリアのイルクーツクのアーティスト(ロックミュージシャンや詩人、画家)たちを紹介。中心部から遠く離れた地方都市の様子を知ることができる。中盤からは著者と、画家の夫の伝記のように。著者は父の仕事の関係で日本やアメリカを転々とする子ども時代を送る。中国文学を学ぶため留学したあと、十数年中国で現代アート記事を発信。さらにロシアへ渡り、夫となる男性と出会う。終盤にはごく最近のロシアの様子も触れられている。2023/02/06

ソングライン

22
中学生時代をアメリカで過ごし、大学卒業後北京にて中国現代アートの紹介をする作者が数年前にシベリアのイルクーツクに留学、そこで画家であるスラバと知り合い結婚する。彼は無類のビートルズファン、知り合った彼の友人たちはビートルズを愛し、ロック音楽を愛する人々でした。西側の音楽を入手する困難、アルコールに依存する社会事情、そして新たな戦争による社会分断、たぶんロシアでは発行されることのないシベリアの芸術家たちの思いを知ることの出来るエッセイです。2023/02/03

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