日本経済新聞出版<br> THE WORLD FOR SALE(ザ・ワールド・フォー・セール)  世界を動かすコモディティー・ビジネスの興亡

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日本経済新聞出版
THE WORLD FOR SALE(ザ・ワールド・フォー・セール) 世界を動かすコモディティー・ビジネスの興亡

  • ISBN:9784296115471

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内容説明

フィナンシャル・タイムズ紙2021年ベスト・ビジネス書、エコノミスト誌2021年ベストブックスの1冊。

ウクライナ危機の唯一の勝者ともいわれるエネルギー企業。その最たる存在が世界最大級の資源会社、グレンコアに代表されるコモディティー商社だ。グレンコア、ビトル、トラフィギュラ、カーギル。彼らコモディティー商社の存在なくしては世界の資源・穀物・金融取引、そして、国家運営さえもが成り立たない。そして彼らは、日本経済の生命線を握る石油、石炭、鉄鋼、銅、アルミ、その他金属、穀物など、天然資源、農産物取引を牛耳るグローバル資本主義の最後の冒険者でもある。

内戦下のリビアから、コンゴ、クルディスタン、イラク、キューバ、カザフスタン、中国、そしてプーチンのロシアまで。コモディティー商社のトレーダーたちは現金の詰まったブリーフケースを手に世界を飛び回り、脱法行為、賄賂も辞さず、新興国・資源国の権力者に食い込む。そしてグローバル化とスーパー・コモディティー・サイクルの波に乗って巨万の富と巨大なビジネス王朝を築き上げてきた。

だが、その歴史と実像はほとんど知られてこなかった。石油ショックから、ソ連崩壊と冷戦の終焉、中国台頭、新興国・資源ブーム、デリバティブ取引の拡大、世界金融危機に至る世界の大きな変化に、コモディティー商社はどう商機を見出してきたのか。コモディティー業界を長年徹底取材してきたジャーナリストが、その成功・失敗、驚くべき興亡の物語を、規制強化、グローバル化の減速という逆風の強まり、新型コロナ・パンデミックでの本領発揮、新世代トレーダーの登場も交え、スリラーさながらに描き出した話題の書。

目次

序 章 最後の冒険家たち
第1章 先駆者(パイオニア)たち
第2章 石油のゴッドファーザー
第3章 商社は最後の頼みの綱
第4章 紙の樽(ペーパーバレル)
第5章 マーク・リッチの凋落
第6章 史上最大の閉店セール
第7章 資本主義に冒された社会主義
第8章 ビッグ・バン
第9章 オイルダラーと泥棒政治家
第10章 目的地はアフリカ
第11章 飢えを儲けの種に
第12章 十億長者(ビリオネア)の製造工場
第13章 権力の商人
終 章 不都合な秘密はいくらでも

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鮫島英一

25
コモディティーと聞いてもシカゴ市場か石油のWTIくらいしか知らない。農地争奪戦を描いた作品や石油やレアメタル関連作品を手に取ってきたが、彼等について語る作品をみたことがなった。正に知りたくても語らることがない存在、その業界に迫った今作は大変貴重だと思う。彼らはセブン・シスターズ没落後の石油業界を渡り切り、冷戦期のソ連と接触し続けた。冷戦終結後はリビア内戦やアラブの春、あるいはキューバにも影響を与えている。裏歴史の主人公とも言える彼らを知ることは、世界情勢をより理解する一助となるでしょうね。2023/04/02

hitomi

23
読売新聞の書評を読んで。驚きの連続で、とても興味深い内容で面白かったです。政治や倫理については関係なくただ稼げさえすればいい、という考えのコモディティー商社。彼らの稼ぐ金額がえげつないので、途中から円に換算するのもアホらしくなりました。コモディティー商社は、経済制裁を受けていた国や内戦状態だった国(イラクやキューバ、リビアなど)にとってはなくてはならない存在だったかもしれませんが、彼らの行動は人道的・倫理的に許されることなのかとモヤモヤしました。世界を混沌とした状態にしている要因の一つのような気がします。2024/03/09

Don2

15
めちゃくちゃ面白かった。鉱石や石油、穀物などを扱う商社の興亡を扱った本。"政治は無視し、倫理も概ねさて置いて、どこへでも行け"の精神で危ない国にわたりまくり・賄賂わたしまくり・カネ調達しまくり・契約結びまくり・稼ぎまくりの男たちの暗躍を、精緻な調査の元に描き出す。中国市場の成長や中東の政治不安、ソ連崩壊の裏でがっぽり稼いだ人たちがいる…これがノンフィクションなのが驚きなぐらい面白い。先日読んだ半導体戦争といい、本書といい、今年はビジネスノンフィクションの当たり本にたくさん出会えて嬉しい。2023/09/17

ジュール

12
まさに獰猛で貪欲な商社の世界。リスクを恐れずに利益を追求する。時には違法スレスレ、実際違法な取引にも手を染める。その資金力、世界的な情報のネットワーク、世界の要人、特に独裁者との強い結びつき。上場をしてこなかった為、その活動が謎だった会社のベールを剥ぐ。ここに登場する商社は欧米のもので日本の総合商社には全く言及されていない。リスクを取るという本当の意味を思い知る。今のロシアに対する制裁も彼らにとってはビジネスチャンスか?2023/06/12

Hiroo Shimoda

10
複数の人物、企業が入れ替わり立ち替わり語られるため若干読みにくい。いくつかのエピソードは興味深い。資源国とのルートがものをいうビジネスだけに色々とギリギリを攻めるのだろう。2023/04/27

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