内容説明
眉間の黒子に、福々しい頬。暢気に歩きまわる姿から“うぽっぽ”とよばれる、臨時廻り同心の長尾勘兵衛。目こぼし料を受けとらず、野心の欠片もないが、人知れぬところで今日も江戸の無理難題を小粋に裁く。「人が悪に染まるにゃ、それなりの理由がある。おれはよ、その理由ってのが知りてえんだ」情けが身に沁みる、傑作捕物帳シリーズ第1弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やも
83
面白い!定廻りのうぽっぽがお江戸ミステリーを一件落着させる中編4話。人を裁くだけが仕事じゃない、窮地に立つ者を救ってこそがモットーのうぽっぽ。第一印象、なんとなく寅さんみたいって思ったな。どの話にも不幸せな女が出てくるけど、うぽっぽほっとけない。そんな所も寅さんみたい😁全てがまるっと解決ハッピーハッピーじゃなくて、これしか落とし所はないよ、分かっておやりよ。ってカンジの一件落着っぷりにじじじーん。行きつけ居酒屋のおふうとの会話もいい!この話、嫌いな人いないんじゃないかな〜🤔✨★52022/12/01
タイ子
81
読友さんのレビューに惹かれて読んでみた。読んでみたらこれが予想以上の面白さ。そもそもうぽっぽって何だ?定廻り同心が町中を暢気に歩き回る姿を言うらしい。主人公の同心・長尾勘兵衛は一見昼行燈みたいなイメージだが、強気をくじき弱気を助ける頼りになる男。20年前に妻に逃げられ未だ行方知れず。娘は素直に育ち同居する医者の手伝いなぞしている。刀を抜かないので剣はからっしきダメなのかと思いきや後半ですさまじい姿を見せてくれる。きゃっ、カッコいい!物語も笑わせ、時に泣かせる人情もの。こうなったら既刊本追いかけよう。2023/04/23
みゆ
71
初読み作家さん。「うぽっぽ」の響きにコミカル人情物と予想して読んでみたら意外にシリアス。野心も欲も無く、吞気に江戸市中を歩き回る姿から「うぽっぽ」と呼ばれる同心・勘兵衛。その実の姿は切れ者で密命を受け悪を正す。必殺の中村主水ほどダークではないけれど、かなり際どい事までやっちゃいます(^-^; 新しいヒーロー登場♪ シリーズ追っかけます('∇^d)☆!! 2023/04/28
ぶんぶん
23
【図書館】うぽっぽ、出版社を代えて再出版。 定年間近な臨時廻り同心・長尾勘兵衛の飄々した活躍を描く人情編。 四季の移ろいを巧みに織り込みほのぼのと事件を解決する勘兵衛の堂々たる人生、心残りは若い頃、家出した女房のお静のこと。 果たして、巡り会う事は出来るのだろうか。2023/03/31
ゴルフ72
19
初めての作家さん(坂岡真)ですが、いやぁ面白いじゃないですか~!ファンになりましたよ長尾勘兵衛さん!銀次も良いし、次の本に手を延ばしてみます。2022/12/26