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内容説明
2020年、新型コロナウイルスの感染拡大により、航空業界は大きな打撃を受けた。売上が大幅に減ったなかで、これまで通り雇用を維持して賃金を払い続ければ会社が潰れる。「クビか、賃下げか」。世界中の航空会社において、労使がこの二極の間でギリギリの調整を行っていた。従来、日本は賃金引き下げが速く、人員削減が遅いとされてきた。それは今も変わらないのか。コロナ禍への対応の国際比較と、長期的に労働需要が減少した百貨店の事例から、日本の雇用調整の内実を明らかにする。
目次
はじめに
第一章 航空業界の苦境──ANAグループの事例
1 コロナに立ち向かう
緊急経済対策
飛べない翼
対象とする企業と労働組合
2 日本の空で何が起きたか
消えた観光客
一時休業の開始
新卒採用の停止
3 雇用を守るため、賃金を削る
一時金の大幅カット
「生活が苦しい」
期間限定の対応策
在籍出向の拡大
誰がどう出向を決めるのか
4 人員の削減
希望退職者の募集開始
なぜ「雇用を守る」のか
仕事の内製化と雇用喪失
第二章 リストラの断行──アメリカ、イギリス、ドイツの事例
1 アメリカ
政府の支援策
自発的な一時休業
自発的な休業・退職プログラム
解雇通知の送付
一時解雇とは
賃金を引き下げ、一時解雇を回避する
「もっとも悲しい日」
雇用か、賃金か
職場復帰へ
賃上げ交渉
2 イギリス
雇用保護から人員削減へ
労使の応酬
労働条件の引き下げ
ストライキ
3 ドイツ
人員削減計画の発表
二万二〇〇〇人が余剰に
人件費削減
二〇二一年以降
第三章 雇用を削るか、賃金を削るか──日本と欧米の比較
1 概念の整理
経済の変動と雇用の安定の間で
賃金調整
雇用調整
雇用と失業
2 パンデミック下の賃金調整
雇用を維持し、賃金を下げた日・独・英
賃金水準の保護を求めた米労組
柔軟性のある賃金体系
変動給と賃金調整
3 雇用政策の影響
雇用継続を支援する各国の制度
雇用調整給付金の誕生
雇調金は過剰労働力をため込む装置か
4 雇用調整の速さと規模
欧米で速く、日本で遅い
アメリカで多く、日本で少ない
数年がかりで雇用調整
下請け企業での雇用喪失
中小企業の雇用調整は欧米並み
自発的か、強制的か
5 需要の戻りに対応できるか
景気の回復と空港の混乱
正常化に向けた調整の遅れ
回復期には雇用継続が有利
賃金水準停滞の弊害も
第四章 長期的な雇用調整──百貨店の事例
1 出向と転籍の活用
短期的雇用調整と長期的雇用調整
リーマンショック後に増えた雇用調整
配置転換がもたらす雇用保護と雇用喪失
出向とは
長期的な雇用調整としての出向
2 百貨店における雇用維持と出向
店舗閉鎖と雇用調整
従業員・労働組合の反応
労組が出向先の労働条件を確認
百貨店から銀行へ
新卒採用の継続、賃金の維持
3 長期雇用の光と影
会社が雇用の場を提供し続ける「本籍主義」
意に沿わない配転・出向
誰が雇用の調整弁なのか
第五章 働き続けることを保障する社会へ
1 企業レベルの雇用保障
日本の雇用調整の特徴
雇用調整の速度
「雇用を守る」とは何か
休業手当をめぐって
2 社会レベルの雇用保障
労働力の移動
賃金と労働のミスマッチ
ミスマッチの解消のために
あとがき
感想・レビュー
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ぽん
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