内容説明
イヴの異称を名前に持つ女、上田絵羽。絵羽はある野望をもち、日本国内の超進学校に潜り込む。そこには数学の天才児・上杉和典が在籍していた。絵羽は己の目的を達成するために、自分が目を付けた優秀な人間に扇情的な言葉を投げかける。絵羽からの荒唐無稽な要望に強い拒絶感を感じる一方で、強く惹かれる和典。しかしその裏に見え隠れする、得体の知れない闇に危険を感じ、それが何なのかを探り始める。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イトノコ
15
数学の天才と呼ばれる高校生、上杉和典。彼の学校に現れた蠱惑的な美女、上田絵羽。彼女に心惹かれながら、和典は絵羽の過去とそれに纏わる不審な事件に辿り着く。/子供が青い鳥文庫のKZシリーズなるものに最近ハマっているらしく、その関連作品と知って。藤本さんの作品だし。もしかして子供も読むかも?と。ラストがなかなか衝撃的とは言え、特筆すべきストーリーではない。藤本さんの筆力に圧倒されるように読了。でもこれは子供には読ませられないわ…。しかし高校一年生がいくら男子校とは言え、30代の女性にそこまで狂わされるものか?2024/12/31
練りようかん
14
シリーズの時系列はバラバラになるが、単作としても楽しめそうだったので挑んだ高校生版。外進にトップの座を脅かされ、和典に動揺走る。熾烈なライバル関係を望むかのように女性チューターは扇情的で、外進の純粋さが釣り針に刺される感じで危うい。彼女のパートナー探しと彼女のカオスに惹かれる和典の決着が知りたくて、いそいそとページを捲った。情報屋として活躍する黒木をユダに見立てた構図が上手い。ワイナリーと理系はマッチしていて、フランスはやはり藤本さんらしさを感じ、方々の点が確かでいいなと思いながら面白がれた。良かった。2025/07/24
のん
6
なんとこの単行本を読んだのは7年も前だった。こんな感じだったっけと思いながら読了。小学生の頃から新刊出るたびにKZ読んでた私も今やすっかり大人になってしまったよ。もう子どもの頃と同じ感性には戻れないんだろうなと思うと少し寂しい。だけどその反対に大人になってから知った感情もあるだろうから、どっちもどっちかな。もう前を向いていかなくちゃね。上杉も振り回されてちゃだめよ。2025/07/21
YH
3
まりなシリーズが懐かしく、何となく手に取った藤本さん。でも、黒木以外の登場人物が受け付けず。絵羽も上杉も大椿も気持ち悪すぎ。高一ってこんなだっけ?ワイナリー復興のため、高校生を籠絡する絵羽の自己中にもウンザリ。2025/03/02
あ
1
★★★★2024/03/10