内容説明
女神カルギリアスに創造されたとされる島、灰の国(パイオン)。そこで稀に生まれる不思議な力を持つ者は『祝福持ち』と呼ばれ、中でも特に強大な力の者は女神の使者として教会に丁重に庇護される。その見返りに、祝福の力を行使して国を豊かにするのが習わしだった。しかし、二十年前に起きた内乱が女神の怒りを買い、島は『壁』によって二つに分断された。黒の国(マヴロ)で肉体労働をして暮らす青年レ・ジーンは祝福の力が使えたが、つましくも自由な暮らしを送っていた。だが壁の向こうの白の国(アスプロ)からやって来た青年ルーシャと出会ったことで、彼の運命は国を、世界をも巻き込み動き出す――。
目次
プロローグ
第一章 祝福の力
第二章 運命の祭典
第三章 月冠の使者
第四章 神託の島
第五章 船上の決戦
エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
31
黒の国で肉体労働をして暮らす青年レ・ジーン。彼が白の国からやって来たルーシャという青年と出会って、その運命が国や世界をも巻き込み動き出す物語。祝福の力を持つ女神の使者の存在が豊かさに直結する世界で、その力を持ちながら仲間と共につましくも自由な暮らしを送っていたジーン。彼がルーシャと出会ったことで明らかになってゆく祝福の力を奪う月冠の使者の存在。ジーンの前世の因縁も絡めながら祝福の力を持つ意味を問われる展開でしたけど、立場が変わっても力の有無に生き方を左右されないジーンのあり方がとても印象的な物語でしたね。2022/09/16
ひぬ
16
女神の怒りを買い、「壁」によって二つに分断されてしまった灰の国・パイオン。黒の国で働くジーンはある日、白の国から来た青年・ルーシャと出会い…評価しがたい一作。珍しい類の異世界転生系の物語でした。女神の化身に感じていた違和感の正体は面白いと感じましたが、全体的に物語が淡白だと感じてしまいました。2022/11/10
栗山いなり
9
特殊能力を持つ青年ジーンが謎の青年、ルーシャと出会った事から始まるファンタジー小説。異世界転生という題材でもレーベルが変わるだけでここまで変化するものなのかと思った。ただ、正直言うとこれよりは廃墟シリーズの続編っつーか新刊が読みたいと思った2022/10/29
☆こびとのくつや
5
んー、端役たちの存在が生かされてないような気がする。極論言うと居なくても問題ないような。2022/11/23
史
4
うーん。どいつもこいつも自分勝手。あと言葉足らず。それが人間の性といえばそうなんだろうけども。なんでしょう、なんかこう、転生物語の逆張りだとは思うんですけれども、現地人が悪意に満ちていることがしっくりこない。幾らでも改善できる余地はあったのにしない。というのは女神の奴隷だからってことなんだろう。正直な話、あんまりキャラクターには魅力は感じ取れなかった。どうすりゃ好みの味付けに変わるかと聞かれたら、自暴自棄にならないで神の代わりになる話だっただろうか。うーむ。続巻を読むことはないでしょう。2023/06/29