内容説明
戦没詩人の“幻のノート”が導く南の島へ――
大戦の記憶、民族と宗教、友情と神秘…
予測不能の旅に男が見たものは!? 千変万化のエンターテインメント!
激戦地ルソン島で戦死した、詩人竹内浩三の幻のノートを追って――須藤は、TVディレクターの職を捨て、彼の足跡を辿るべく現地へ渡る。到着直後、謎の西洋人男女に襲われたところを救ったのは、山岳民族の娘ナイマだった。大戦以来の日本人への反感を隠さない彼女は、須藤をミンダナオ島独立闘士ハサンの家に伴うことに。だがムスリムの一族は、秘密を抱えていた……。
第70回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゃる
7
「骨のうたう」竹内浩三の詩を知った。第二次世界大戦中、ルソンで死んだとされる彼のノートを追う主人公は彼の足跡を辿ろうとする。さぞかし暗い物語だよな、と思ったらコメディ?と思うような展開で読ませてくれる。現地の女性に元恋人。謎の男女二組、財閥の坊っちゃん、拉致された日本人夫婦。民族、宗教や歴史が絡み合って展開が読めないんですけど。面白かった!まさか竹内浩三で笑うとはね2024/09/10
satoo
5
現代を舞台にしていながらも、あまりそういう印象を受けなかったのは、フィリピンについて自分の知識や想像力が不足していたからに他ならない。表層だけを見て理解した気になる危うさ。それを認識するだけでも違うはず。2025/02/27
ちーちゃん
5
☆3 ラウリクークスを探して、に非常に感心したので読んでみました。社会派の重めの話かと思っていたら、冒険活劇みたいな、展開になり、気楽に読み進めることができました。2024/01/26
SOLVEIG
4
どんなジャンルを書いてらっしゃるのかも知らない初めての作家さん。手に取ったのは〈竹内浩三の幻のノートを追って〉というところが気になったから。社会派小説とは思わず、竹内浩三の影を追うミステリ系を想像してたので、最初はかなり戸惑った。しかし「浩三の話はどこ行ったんだ!?」と思いながらも、いつの間にか引き込まれてたようで、気付けば「なかなか面白かったな」と思いつつ読了してた。戦争の記憶。フィリピンの今。普段、こういうテーマの物はまず手にしないので「時々はこういうのも読まなきゃ」ないい機会だったとも感じてる。2023/05/19
YH
3
戦争や抗争といった重い物を描いてるのに、疾走感や個性的な登場人物のおかげか、サクサク読めた。トレジャーハンターの2人がいい感じ。ラストシーン、須藤とナイマが再会できといい。2025/03/01
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