内容説明
発売2週間で、即重版した梶龍雄「龍神池の小さな死体」。
梶龍雄のリリカル路線のミステリ作品を集めた別系統〈青春迷路ミステリコレクション〉が始動──傑作ミステリとしても特に名高い「リア王密室に死す」が第一弾!
如才ないリアリストであるためリア王と渾名される三高生・伊場富三が下宿先の鍵のかかった倉の中で毒殺されていた。
盗まれたのは、ノートと作文帳だった。
嫌疑は同居者のボン・木津武志にかかるが、キレ者のカミソリ・紙谷達弘ら級友たちは無実を信じ、ボンを救うべく密室殺人の謎に立ち向かった。
終戦直後、焼け残った古都京都を舞台に、個性豊かな旧制最後の三高生たちが繰り広げる本格長篇。
「本格ミステリの中に、人間を生き生きと描きたい。それが私の変わらぬ願望だ」という言葉を遺した梶龍雄だが、
著者の作品の中でも特にリリカルな心情を掬い取った旧制高校シリーズ作品となっている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪紫
85
文庫にて再読。「なんでこの本絶版なの!」とノベルス読了時に思った本が復刊して内心ハイテンション。こうして読み返して仕掛けられた伏線にニヤニヤしたり声を挙げたりするとともにボンの恋、そして過去を振り返ったり、息子への想いに何処かノスタルジーと愛おしさを感じる。やっぱりこの本は昔を懐かしむ年齢になった人達に特におすすめ。年上女性への思慕と恋、伏線、当時の青春。カジタツさんが魅せてくれる要素はやはり惜しげもなく詰まってる。2022/09/08
ちーたん
80
★★★☆☆リア王が密室で死んだ。鍵を持ってるのはリア王と俺ボンと下宿先の未亡人のみ。でも未亡人はアリバイありで、俺が怪しまれてる~でも俺を信じてくれるカミソリやバールト、ライヒやマーゲン、カラバンという友がいる!◆序盤でここがなんらかのKeyだと目論んだが全くの見当外れで苦笑w前編は戦後まもなくの事件当時。後編は30数年後の解決編という2部構成。密室の詳細トリックまではわからなかったけど、死因とそこから紐解く犯人合ってたのが嬉しかった✨個人的には龍神池のが好みかな~。亀さん・ウサギさん殺しシーンが😭2022/12/28
yukaring
71
前の「龍神池」も面白かったけど今回の方がより本格ミステリ度が高く密室トリックも読んでいて楽しかった😆登場人物たちのキャラに愛着が持てるし、風光明媚な京都の佇まいもたっぷり堪能できる大満足の1冊。京都でステイタスを持つエリート学生の"三高生"たちの仲間の1人、リア王こと伊場が鍵のかかった下宿の部屋で毒殺される。鍵を持つ同居人のボンこと武志が疑われるが、友達思いの仲間達が武志の疑いを晴らすべく皆で推理合戦を繰り広げる。若き学生達の青春がテンポよく描かれ、絶妙の伏線回収も見事としか言いようがない名作ミステリ。2022/10/09
たか
54
前・後編の二部構成ミステリ。前編は戦後すぐの旧制三高が舞台。密室で通称『リア王』が毒殺される。当時の学生たちの描写が実に魅力的で、小説の世界にぐいぐい引き込まれる。多くの謎を残しつつではあるが、一応の決着をみる。▼ 後編は30年後が舞台。登場人物が皆んな学生だったため、過去に想いを巡らせ友人の死の真相を追うことが、青春を振り返ることと重なる。 ノスタルジックな青春ミステリとして優れており、ほろ苦い結末が待ち受ける。 因みに『リア王』は『リアリストな人』という意味で、シェークスピアとは全く関係ない。B-評価2024/11/06
koma-inu
51
戦後の京都を舞台に描かれる青春ミステリ。ボンやらバールトやらカミソリやら、なんなの、という名前の個性豊かな人たち。二部構成で、前半が過去、後半が30年後で、同じ密室事件を暴く。中盤の恋愛編でやや中だるみですが、密室トリックは、過去の伏線が効いて、すばらしいです。リア王の名前の由来は序盤に出てきます、気になる人はぜひ一読を!2023/09/09
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