内容説明
ねえ君、わたしは生きていく。このクソみたいで美しい世界を。
魂を揺るがす、少女たちのレジスタンス。
創作が芥川賞候補になったわたしは、意外な人物からの電話を受ける。17歳のとき入院した精神科で、患者たちのボスを気取っていた「安城さん」だ。8年ぶりに再会した彼女は、別人のように痩せこけ点滴に繋がれながらも、変わらず悪態をつき、わたしの封印した記憶を甦らせていく。精神病棟で出会った仲間たちとの日々、救えなかった親友、そして子供時代の傷―ー。長い沈黙を越えて、わたしは真実を語り始める。
デビュー作『ジニのパズル』で群像新人文学賞、織田作之助賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した注目の新鋭が、傷ついた魂の再生を描く圧倒的感動作。第33回三島由紀夫賞候補作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
YH
3
精神病棟の話だからか、松尾さんのクワイエットルームの映画版を思い出した。主人公と由香との思い出はキラキラしていて、まさか、その後に由香がいなくなるなんて思わなかった。少女時代に巡り合いたかった本。2025/01/05
水さん
1
傷ついた時、誰かに頼らずにはいられない。2022/11/26
カラシニコフ
1
内容的に少し辛く重かった。精神病棟での出来事の話で堪えた。芥川賞の落選の事を書いていたので、恐らく著者本人の身に起こった出来事なのかな、と思う。やはり前作と同じくエネルギッシュで凄かった。時系列やわかりづらいところもあり、ぼんやりしてしまったし、重かったけれど、最後には光や希望が見えたような気がした。2022/10/15
かんちゃん
0
沈黙破り再生する魂。 精神病の作家の作品なのか? 何かを言おうとしているが、なんだかわからない本でした。2025/07/14
