哲学の門前

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哲学の門前

  • 著者名:吉川浩満【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 紀伊國屋書店(2022/08発売)
  • 2月2度目の3連休!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~2/25)
  • ポイント 480pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784314011938

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内容説明

入門しなくていい。門前で楽しめばよいのだ。
自伝的エピソードの断片と哲学的思考が交差して織りなす、画期的な「哲学門前書」の誕生。

十九歳の夏にニューヨークで出会ったタクシードライバーとの会話、伯父の死に涙する祖母を慰めた夜、読書会で生じた環境型セクシュアルハラスメントの後悔、新卒で勤めた国書刊行会で接した個性的な面々、創業間もないヤフーでの目の回るような忙しさ、デビュー作『心脳問題』を山本貴光と書いた日々――

文筆家・編集者・ユーチューバーとして活躍する著者が、コミュニケーションや政治、性、仕事、友人関係などをテーマに、暮らしのなかで生じる哲学との出会いや付き合い方について、体験談を交えて考察する、ユニークな随筆集。
相棒・山本貴光氏による「吉川浩満くんのこと」収録。

   * * *

日々、新たな哲学入門書が刊行されています。こんなにたくさんの入門書が世に出るのは、哲学には入門の手続きが必要だという信念が存在するからです。なぜそれが必要なのかといえば、哲学というものがあまりに多様で、ときとしてあまりに難解だからでしょう。どちらもある意味では本当のことです。だから哲学入門書はつとめてやさしい言葉で書かれています。

とはいえ、いったいどうなったら哲学に入門できたことになるのでしょうか。やさしい入門書を読み終えたとして、それでめでたく入門できたと実感したことや、門をくぐる許しが得られたと満足したことがあるでしょうか。一知半解なまま数多の入門書を渡り歩く「入門書流民」を続けるうち、哲学に対して見果てぬ夢のような感覚がわきあがってくることはないでしょうか。
(第7章「哲学 reprise」より)

目次

はじめに

1 哲学
Call me Ishmael
哲学のはじまり(と終わり)

2 ディス/コミュニケーション
ゴムボートとタイタニック
人間っぽいAIとAIっぽい人間
コミュ障についての小話

3 政治
伯父の帰国運動
右でも左でもある普通でない日本人

4 性
削除された世界の起源
空ばかり見ていた

《幕間》君と世界の戦いでは Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ

5 仕事
勤労日記(抄)
私の履歴書
複業とアーレント

6 友だち
山本貴光くんのこと
友だち、遊び、哲学
吉川浩満くんのこと(山本貴光)

7 哲学 reprise
門前の哲学

あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

コットン

71
『哲学』という文字だけで難しそうで読まないという人が多い気がするが、この本は哲学的な思考になれる前段階としてのエッセイ本として読める。話題にマンガや美術や私生活などを絡ませて、その時々の方針がうかがえる。YouTubeの『哲学の劇場』ファンは相方の山本氏との話も聞けるのも良い。2023/07/19

Sam

52
しばらく前に読んだ著者の「理不尽な進化」が刺激的だったのでこちら。本作は哲学の「入門」ならぬ「門前」。自身の履歴だったり世事についての随想だったりと、確かに「入門」ではなかろう。とはいえ例えばカフカのアフォリズム(「君と世界の戦いにおいては、世界に支援せよ」)や右と左に関する考察(「右と左を分ける最大のポイントは、世界を切り分ける見方の違い」)など、哲学的に物事を考える書として楽しく読めた。この方の真骨頂は普通の人なら思考停止してしまうようなことを決して立ち止まらず考え続けていくところで、そこに惹かれる。2022/09/11

ころこ

41
エッセイで、哲学の知識は一切必要が無い。常体(だ。である。)と敬体(です。ます。)の文体によるエッセイが折り重なる。前者が体験的な面白いエピソード、後者の哲学的な知識を注入することによって前者のエピソードがちょっと不思議な感じになる。良い話や深い話というよりも、変な感じ。哲学とは、○○説や○○主義を覚えるよりも、普通の人が見逃すところに驚き、その驚きを忘れずに保持し、いつか問いを立てて考える。考え続けることにそのセンスが問われることにある、と思う。しかし、残念ながら構想は破綻している。本書が興味深い点は上2022/09/29

venturingbeyond

34
以前にも書いたような気がしますが、著者は、高校の1学年上の先輩。そのため、本書で記される高校時代のエピソードについては、思わずニヤニヤしながら読んでしまいました。末尾の「門前の哲学」で、カフカをひいた〈掟の門前の男〉と〈門前の小僧〉を対比して、素人にとっての哲学(及び人文諸学)との向き合い方を語る部分が、本書の中核部分ですが、現在、件の高校で(著者及び自身の)後輩を教える立場にある身としては、自らの向き合いについて再検討すること以上に、どのように生徒を誘引するかについて考えさせられる一冊になりました。2023/01/14

原玉幸子

22
自身の生い立ち、性格、友達、仕事観を語った半自叙伝的な(著者の私生活を覗き見する様で、読んでいるこちらが恥ずかしいと思う、不思議な感覚?の)エッセイですので、感心する思想や理念はありませんでしたが、渾身の紹介のF・カフカの「君と世界の戦いでは、世界を支援せよ」との箴言への解説は格好良かったです。本書で『理不尽な進化』が吉川の本だと改めて知ったのですが、私は何故か、同書の内容より著者紹介が「文筆家」だったことを(研究者じゃなくて文筆家が進化を語るんや、と)印象強く覚えていました。(◎2023年・秋)2023/10/20

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