内容説明
量的方法と質的方法の区別は、実態に合わないとされながらも確かに存在している。ハマーズリーは、統計が主流化する社会学の中で質的方法を擁護したハーバート・ブルーマーを軸に、この対立の成り立ちや編成を解きほぐす。この議論は、社会や科学の性質をめぐる問いだけでなく、調査や社会学をめぐる根源的な問いにつながっていく。
目次
第六章 ブルーマーの科学観
一九二八年の学位論文
『ポーランド農民』評価
結 論
第七章 ブルーマーの選択肢:自然主義的調査
自然主義的調査に関するブルーマーの記述
探 査
精 査
分析的帰納法
グラウンデッドセオリー
パターンモデル
結 論
第八章 自然主義的調査の評価
ブルーマーの説明
自然主義的調査は科学的基準を満たしているか
自然主義的調査はシンボリック相互作用論と整合するのか
分析的帰納法
グラウンデッドセオリー
パターンモデル
何がなされるべきなのか
科学を再定義する
シンボリック相互作用論を再定義する
結 論
訳者解題 イングランドからシカゴ社会学をみる――環大西洋的で分野越境的な方法論研究
文献表