内容説明
星霊と呼ばれるAIと人類が共存する未来。人間のユウリとその配偶官の星霊アルフリーデは銀河の覇を争う宇宙艦隊戦に身を投じる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
104
スペースオペラもハードSFも面白いのだが、両方が一緒になると食い合わせがよくない。それぞれの複雑な設定がこんがらがり、特に従来なかった新アイデアを取り入れると意味不明になる。人型AIとは『ガンダムSEED』に出てきたナチュラルとコーディネーターの対立を極限まで進めたような存在だが、そこに星間国家での艦隊戦と人種差別や性選択権問題まで加わって、社会科学と自然科学が生のかたちで衝突する。しかも最前線の戦闘だけに終始して人類連合圏と星霊連合の政治的描写は説明だけで済ますなど、物語性の欠如は如何ともしがたかった。2022/10/11
羊山羊
21
もうね、設定超モリモリ。読んでると情報過多で脳みそがクラクラしてくるんだけ ど、キャラクターの魅力と華々しい戦闘、柔らかな筆致のおかげで肩の凝らない1冊 に。常次元と高次元をゴリゴリ往来して戦うシーンのド派手さの極み!そんな中を、 主人公翠真ユウリと相棒のAI、星零ことアルフリーデが青嵐という戦闘機に載って単 機で駆ける様はスぺオペ×エスコン味があってとにかくオトコ心をくすぐる内容に なっている。ロマンの塊みたいな1冊! 2023/03/21
宇宙猫
19
★ 女の子と設定の説明で出来ているオタク本。ラノベレーベルの本でももうちょっと内容があるのに。早川って、ときどきこういうの出しちゃうよね。2024/01/08
緋莢
16
人間と同等以上の知性と人間を遥かに超える演算能力を持つ人工知能である〝星霊”。アメノヤマト帝律圏では、その星霊と人間が平等に共存しており、星霊国家・アルヴヘイム党律圏と同盟を結んでいた。人間至上主義の人類連合圏とアルヴヘイム党律圏は対立しており、その戦いに、アメノヤマト帝律圏も参加することになり…2022年に3か月連続で 刊行された作品。<光速の10万倍で銀河渦状腕を縦横に巡り人とAIが絆を結ぶ銀河級スペースオペラ!> とあるように(続く2023/10/12
塩崎ツトム
16
4月のSFカーニバルでサインしていただきました。山口先生、その節にはありがとうございます。さて、自分は一応新米SF作家っていうことになっているけど、「銀河英雄伝説」や本書などの「宇宙艦隊モノ」は未履修である。「100万人殺せば英雄で、100億人殺せばSF作家」というが、そういう世界観が、どうも苦手だ。このジャンルはちょっと前に流行った「クソデカ羅生門」なのだと思っている。本書も海里が光年に置換されたクソデカ宇宙だけど、それをブラックホールを利用して実現しようという発想は脱帽でした。2023/08/06