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内容説明
第62回講談社児童文学新人賞佳作受賞作、待望の書籍化!
●主な内容
広島県尾道市に住むイルキは、親戚からイルちゃんは、せいちゃんにひっつきもっつき(人にべったりくっついて離れない)じゃのうと言われる中学一年生。
しかし大好きないとこのせいちゃんは、多発性硬化症という難病にかかっており、体だけでなく心も弱っていた。
そんなせいちゃんがある日、「映画が観たいのう」とぽつりと漏らす。だがせいちゃんは、頑なに映画のタイトルを言おうとしない。
せいちゃんの望みをかなえてあげたいが、しかし──もやもやを抱えたイルキは、大阪出身の大人びた同級生・ハジメと知り合う。
ハジメの力を借りて、どうやらその映画はせいちゃんが大学時代に作っていたものではないかと突き止めるイルキ。
しかもその映画はいま、京都で上映しているらしい。
少ない軍資金。何やら事情があるらしい同級生。不安と期待を抱えた二人の、京都までの旅が始まる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
72
児童書。YA。尾道(広島)の中学生、イルキは15歳年上のいとこのせいちゃんが大好きで「ひっつきもっつき」と言われていた。せいちゃんが難病にかかり大好きだった映画製作も大学もあきらめて自宅療養で落ち込んでいるのをみたイルキは、せいちゃんの笑顔を見たいと思う。寺の境内でひとりマンガを描いていた転校生のハジメと仲良くなったイルキは、一緒にせいちゃんの映画を探す。自主制作の映画を突き止めたイルキとハジメは、二人で京都まで行く計画をたてた▽爽やか青春YA。尾道弁と大阪弁がとてもいい。2023/05/15
へくとぱすかる
45
ふたりの少年の会話が尾道弁と関西弁で、それでも違和感なくどんどん進む、しゃべりまくる。言葉は荒削りでも、そこに虚飾などまるでなく、むき出しの心の動きがぶつかってくる。親に嘘をついてまで、尾道から京都までの、従兄に見せたい映画のための冒険が始まる。著者の経歴を見ると、大学では映像が専門だったらしい。いわば自分の世界に分身となる多くのアバターを活躍させた作品なのだろう。おそらく映画製作にも大いに通じるものがあるに違いない。旅と映像は、中学生であるイルキらにとって、まだこれから続く青春期の魅力ある要素だと思う。2025/05/13
れもん
29
電子書籍。主人公のイルキは、病気を患っているいとこ・せいちゃんの「映画が観たいなぁ」という言葉を聞き、友達のハジメと共に映画を探し当て、そのDVDを手に入れるために長距離旅に出かける、というお話。お互いに助け合いながら旅をする二人。支え合うことの大切さ、『仲間』の大切さが、心に沁みた。2024/04/19
雪丸 風人
16
優しさあふれる物語ですね。主人公は大それたまねなどしたことがない中学生男子。難病で臥したままのいとこが見たいとつぶやいた映画とは何なのか?一風変わった連れとタッグを組んだ主人公が、その作品を探し求めて“一か八かの大勝負”に出ます。密やかに計画練り実行に移していく過程のワクワク感が凄いですね。思わぬトラブルもありますが、少年たちの友情が育まれていく流れは微笑ましい感じ。そして、弱みと思われたことが実は強みであり、主人公がそれを活かして活躍するというラストは最高にカッコよかった!(対象年齢は12歳以上かな?)2022/10/28
くぅたん
12
難病を抱えるいとこが見たいという映画を探すために、友達と尾道から京都まで行く。中学生の冒険と、それぞれの抱える想い。中学生らしいストーリー。2023/01/10