講談社現代新書<br> 農協の闇

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講談社現代新書
農協の闇

  • 著者名:窪田新之助【著】
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  • 講談社(2022/08発売)
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  • ISBN:9784065292549

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内容説明

JAは、「農業協同組合」本来の理念や目的を忘れてしまったのではないか?
共済(保険)事業と信用(銀行)事業に依存し、職員に過大なノルマを課した結果、
いまや多くのJAで「不正販売」と「自爆営業」が蔓延っている。
元「日本農業新聞」記者である著者が、農協を愛するがゆえに書かざるをえなかった、
渾身の告発ルポ!
全国津々浦々に拠点を持ち、1000万人以上の組合員を抱える巨大組織の闇を撃つ。

<本書の内容>
・JA職員が自爆営業を強いられている決定的証拠
・損するだけの共済商品に切り替えを勧める職員たち
・介護状態にならずに死ぬと1円も戻ってこない「介護共済」
・受け取り開始が90歳設定の「年金共済」に意味はあるのか
・高齢者や認知症の人に営業、半ば強引に契約
・ノルマ地獄を逃れるため、職員は続々と転職
・存続のためだけの、理念なき合併に突き進む地域のJA
・権力闘争に明け暮れる経営者たち
・史上稀に見る76億円の巨額損失を計上した「JA秋田おばこ」
・津軽と南部の対立で役員不在となった「JA青森中央会」
・梅農家の苦境を放置し、業者と結託する「JA紀南」「JA紀州」
・組織の論理に搦め捕られた「JA全中」会長

腐敗の構造を徹底取材!

<目次>
第一章 不正販売と自爆営業

1 顧客を食い物にする職員たち
2 不正販売を引き起こす過大なノルマ
3 JAの職員が自爆営業を強いられている決定的証拠
4 自爆の金額は80万~200万円 LA職員の嘆き
5 自爆営業の実態を分析した内部資料
6 共済を悪用して私腹を肥やす職員たち
7 弁護士が断罪「JAの不祥事の元凶は過大なノルマにある」

第二章 金融依存の弊害

1 JA共済連に共済商品を売る資格はあるのか
2 投資信託は「第二の共済」にならないか
3 理念なき合併に突き進むJA秋田中央会
4 「准組合員制度」がもたらす矛盾と弊害

第三章 裏切りの経営者たち

1 史上稀に見る76億円という巨額損失の裏側
2 前代未聞! 津軽と南部の対立で役員不在となったJA青森中央会
3 梅農家の苦境を放置して、加工業者と結託する二つのJA
4 組織の論理に搦め捕られてしまったJA全中会長

第四章 JAはなぜ変われないのか

1 不正を追及しない、なれ合いの組織
2 「身内の監査」は終わったのか
3 なぜJAは民間の保険を扱わないのか
4 経済事業の立て直しとJAのこれから

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

80
全ての関連組織に問題がある訳ではないが、閉鎖的組織文化に加えて、地域依存経済圏がBlackbox化を拍車。そもそも論のビジネスモデルの限界を、気合で乗り切ろうとする旧態依然の改革は、司法や労基署などを含めた外圧がないくらい膠着しているのかと推察。一方、それでもまかり通っているのであれば、様々な内圧がそれを巻き込む形で謳歌できるのかもしれない。しかしながら、そうだとしても単に時間の問題で、信頼を逆手にとる商法などの末路は目に見えている。そこまで世の中、スジが通らないとは信じたくないなぁ。2023/02/04

南北

77
農協が腐敗しているのは知っているつもりだったが、ここまでとは思っていなかった。農家が減少しているため、生産物を取り扱う経済連が縮小し、各地の農協が合併を進める一方、生保や損保を取り扱う共済連が組合員やJAに勤務している人たちを食い物にしている実態があぶり出されている。もはや組合員のためのJAではなく、JA自体を組織防衛するようになっていているので、将来性があるとは言い難い。農業生産者のための組合から地域住民のための組合へと変貌を遂げようとしているところが一部あるのが唯一の希望と言えるのかもしれない。2023/05/01

saga

69
業界新聞の元記者が、農協の暗部を暴露。基本的に農協名は実名。その中には私の生活圏の農協もあり衝撃を受けた。農協は信用事業(金融)、共済事業(保険)、経済事業(販売)、営農事業が主な柱だが、経済事業は赤字らしい。そのため信用、共済事業で屋台骨を支えている構造だ。そこに過酷なノルマと、その達成のための不正が入り込んでしまう。「裏切りの経営者たち」では、76億円という巨額損失をはじめ、金銭的な不正がうやむやに放置された。そこには組合員(農家)に背を向け、組織を維持するために不正に関わった者たちの姿があった。2024/05/17

キク

58
JAグループ機関誌、日本農業新聞元記者によるノンフィクション。老人を食い物にしていた日本郵政とほとんど同じ構図がそこにあった。内部職員が「JAは血を吸って肥え太ったダニとしか思えない」と呟いていた。過酷なノルマのために自爆(JA商品を職員が自腹で購入することを、職員は自爆というらしい)は平均で年51万円、最も多い人で350万円を超えていた。憤りというより、恐怖や切なさが先にきてしまう。巨大組織は強くて腐敗する。巨大組織である以上、力と腐敗は必ず内包される。外部と向き合うことでしか、それは回避できない。2024/04/13

kawa

44
現在の農協の本来業務である農産物販売や組合員との資材等取引を担う経済部門は慢性赤字で、そこをカバーするために共済(保険)部門や金融(銀行)部門に負担がかかり、過重なノルマ営業、結果として例えば共済の契約者無視の不適切販売や不正が頻発しているという。経験上、農協の組合員に対する保険漬けの実態を垣間見ていたので、納得の著者の主張。中でも驚愕は一時払い介護保険を全期前納扱いに転換して、契約者払戻金をゼロにする手口。これって充分な説明を尽くさない場合には、詐欺行為に当たると思う。2023/09/30

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