内容説明
ルールが破られ精神が蔑ろにされて民主主義が機能するはずがない。その気になれば対策は打てる。憂えるのではなく前を向くための書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
1.3manen
35
2021年初出。民主主義は自由と平等の原理を起動させようとする場合にのみ正当化(8頁~)。自由と平等の組み合わせこそが、国家に関することに対する影響力の平等、及ぼす機会平等を実現困難にする(67頁)。選挙:政体のために拘束力ある決定を集団で生む手続き。民主主義は平和的に決定を下すことを約束(80頁)。民主主義の土台は平等と自由で、緊張関係(222頁)。いずれにしても、社会科学は自由と平等をどう確保するか、維持するか。2025/12/27
山口透析鉄
26
市の図書館本で。博士のインタビュー記事、昨年10月の朝日新聞に載っていて、それで借りたと記憶しています。 やはりポピュリズム批判もかなり出てきて、オルバン・エルドアン・トランプやブレグジット等も俎上に上がっています。 英EU離脱、案の定というべきか、良い結果をもたらしているとはいえなくなっていますし。 日本のポピュリズムといえば維新の面々がすぐ思い浮かびます。国民を分断させ、勝手に全件委任されているとするあたりが正に連中の手法で、そのくせ大阪都構想という空疎な政策未満のお題目しか出してこないですし。↓↓↓2025/04/27
Shin
16
原題はDemocracy Rulesで、訳者あとがきにもあるが訳出が難しかったろうと思われる。というのも、本書で丹念に述べられているのは邦題にある「精神」の方であり、しかしながらその精神とルールとはお互いに支えあい、補完しあっているからだ。民主主義をとかく硬直的な制度として捉えがちな現代人にとって、例えば「民主主義は不確実性を制度化する」という言明は(あたりまえのことながら)新鮮に響く。ポピュリズムが政権を取ることそのものが問題ではなく、もっと根源的なところに問題は存在している。2024/01/22
buuupuuu
15
第2章のエピグラフに次のようにある。「人生は生きるものであって、コントロールされるものではない。そして人間性は、敗北を突きつけられてもプレーを続けることで得られる。我々は、ひとつでありながら多でもある、(…)。」民主主義は、例えば最適解だとか真の人民の意志だとかいった、既にどこかにあると想定されているような答えを実行するためのものではない。利害関心や理念やアイデンティティといった新たな論点を創始することから始まり、多様な立場の中で、自他の考えを変化させながら、継続的に政体に関わり続けるということなのだ。2022/10/15
ぼんきち
4
トランプを筆頭に権威主義ポピュリストが広がる現状を分析し、危機的状況にある民主主義を原点から見つめ直し、再生への希望を探る。米国や欧州の事例が詳しいが、訳者いわく「日本の似たような例が頭をよぎって腹立たしい気持ちがわき出してきたり、思わず苦笑させられたり」した。確かに国のリーダーが、いたずらに国民を区分けし、一方を罵り、貶めるさまは共通している。ロシアのウクライナ侵攻が起きる前の刊行だが、民主主義を装うポピュリストたちの行きつく先を物語る。メディアが伝えるべきは「情報」ではなく「議論」という指摘が重い。2022/11/14
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