民主主義のルールと精神――それはいかにして生き返るのか

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民主主義のルールと精神――それはいかにして生き返るのか

  • ISBN:9784622090991

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内容説明

ルールが破られ精神が蔑ろにされて民主主義が機能するはずがない。その気になれば対策は打てる。憂えるのではなく前を向くための書。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Shin

15
原題はDemocracy Rulesで、訳者あとがきにもあるが訳出が難しかったろうと思われる。というのも、本書で丹念に述べられているのは邦題にある「精神」の方であり、しかしながらその精神とルールとはお互いに支えあい、補完しあっているからだ。民主主義をとかく硬直的な制度として捉えがちな現代人にとって、例えば「民主主義は不確実性を制度化する」という言明は(あたりまえのことながら)新鮮に響く。ポピュリズムが政権を取ることそのものが問題ではなく、もっと根源的なところに問題は存在している。2024/01/22

buuupuuu

14
第2章のエピグラフに次のようにある。「人生は生きるものであって、コントロールされるものではない。そして人間性は、敗北を突きつけられてもプレーを続けることで得られる。我々は、ひとつでありながら多でもある、(…)。」民主主義は、例えば最適解だとか真の人民の意志だとかいった、既にどこかにあると想定されているような答えを実行するためのものではない。利害関心や理念やアイデンティティといった新たな論点を創始することから始まり、多様な立場の中で、自他の考えを変化させながら、継続的に政体に関わり続けるということなのだ。2022/10/15

ぼんきち

3
トランプを筆頭に権威主義ポピュリストが広がる現状を分析し、危機的状況にある民主主義を原点から見つめ直し、再生への希望を探る。米国や欧州の事例が詳しいが、訳者いわく「日本の似たような例が頭をよぎって腹立たしい気持ちがわき出してきたり、思わず苦笑させられたり」した。確かに国のリーダーが、いたずらに国民を区分けし、一方を罵り、貶めるさまは共通している。ロシアのウクライナ侵攻が起きる前の刊行だが、民主主義を装うポピュリストたちの行きつく先を物語る。メディアが伝えるべきは「情報」ではなく「議論」という指摘が重い。2022/11/14

chiro

2
民主主義が「ダイナミックでクリエイティブ」という著者の主張は斬新である一方でそれを代表するような動きは今のところ具体的には見えてこない。特に我が国のようにお任せ民主主義や観客民主主義が蔓延している中では既得権益と深い繋がりを持つ政権与党の為政によってこの国がどういう方向に向かっているかも無自覚な事を見ても絶望的にならざるを得ない。2023/06/16

yes5&3

2
日経のこの一冊から。最初Kindleで読み始めメモと付箋が必要になり書籍で読む。民主主義の危機、民主主義の限界。そもそも民主主義の要素とは?どのように破壊されているのか?非常に難しい原理に踏み込む。民主主義のインフラは仲介機関のメディアと政党(第3章)、そして、民主主義を復活させるにはインフラをどうすべきか(第4章)。権威主義ポピュリストの方が手ごわい感じを受けるが著者のように絶望せずに再生に向かわなければ、と思わせる。「抵抗」というあいまいな言葉P212-213に注意しよう2022/12/28

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