内容説明
生きていてほしかった。
死者が残した未練や無念
生者が抱えた哀惜や苦悩を描く。
とむらいの物語、第二弾!
第一章 泣く女
材木商木島屋の若旦那が亡くなった。
葬儀のとき、颯太は昔馴染みの女に声をかけられる。
お艶が来たということは、賑やかな葬式になる――。
第二章 穢れ
見ず知らずの男の弔いをお願いしに来たおきよ。
今朝「お前さんの父親だ」と亡骸を置いていかれたばかりだという。
第三章 冷たい手
あたしが眠っている傍で、母親が自ら命を絶った。
割り切れぬ想いを抱えながらお吉は生きるために身体を売る。
第四章 お節介長屋
終の住処として越した長屋は、
五十もの世帯がありうるさい。
ひとり静かに死にたい福助の事情とは?
第五章 たぶらかし
ある処から亡骸を引き取りすぐに荼毘に付してほしいと言われる。
奇妙な依頼に違和感を覚えながらも颯太は引き受けるが――。
第六章 漣の行方
母を死なせた侍をついに見つけた。
浮足立つおちえを颯太はたしなめる。
二人の前に当の侍が現れ――。
<とむらい屋で働く人々と仲間たち>
颯太:新鳥越町二丁目の弔いを扱う葬儀屋の店主。十一歳で葬儀屋になると決意する
おちえ:母を颯太に弔ってもらって以降居座るおせっかい
勝蔵:早桶職人。はじめてつくった棺桶は妻のものだった
正平:勝蔵の弟子で同じ長屋に住む
寛次郎:筆が得意な雑用がかり
道俊:寺に属さない、渡りの坊主
巧重三郎:水死体を見るのが苦手な医者
韮崎宗十郎:北町奉行所の定町廻り同心
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
45
今回も感慨深く読了させて頂きました。因果応報って言うのは自分の行いが自分に返ってくるのは致し方無い事。人の生き様が死に様に被ることはないだろうけれど、バラエティーにとんだ葬儀より平凡な葬儀が一番だろうね。この颯太は残された者の立場での葬儀だが、私はされる身での感想(^^;。。忘れ去られるのが怖いかな?(笑)。いやいや天国も地獄もないはず。明治の頃の墓はあるがそれより前の我が家のご先祖さんの墓はない。亡くなった人を偲ぶ数は年々増えてくる。何事にも平凡であればいいか。もう少し若かったら次も読みたいがもういいわ2023/08/26
デジ姫
11
やはり以前文庫本で読んでいた本だった。ほぼ斜め読みで目を通した。文庫本~単行本と変わっても読んだか読んでないのかまでを読書メーターでは察知してくれない。2022/09/22
ぶんぶん
9
【図書館】とむらい屋シリーズ、第二弾! 今回も人の生き死に関するオムニバスが数点。 身につまされる話が続く、人の生き死にだから、浮かれて書くわけにもいかない。 今回は各人の知り合いが葬儀に関わり合う話が多い、読んでいて心が晴れる物語では無い。 だが、折り合いを付けて生きて行かねばならないのも人生。 前回の颯太の生業に続いて、今回はおちえの母の死がネックになる。 死んでしまった母と生きて行かなければならないちえの、どうしようもない喪失感、そこに手を差し伸べる颯太や仲間たち。 折り合いの付け方が微妙だ・・・ 2025/08/19
山内正
4
昨日の酒の匂いがまだ残ってる 子供屋の店で働く女 お吉は仲間の女と一緒に座らない どんな手管で男物にするんだか教えて欲しいよと煙管を火鉢に打掛けお吉に聞く この店で働くなら欲は出しちゃ お登勢みたいになるよとおりつが 母が昨日首を括った 何で死んだのよ 弔い屋が聞きにきた 四十九日前に姿を消した 坂野屋の女郎が首の骨を折って 死んだから弔いを静かにやりたいと話で店に行く 今お調べ中だから分からないと 姿消したお吉が店にいた 他の若い女に客を取られたとか お吉は聞かれてもう死んじまったから身体が2022/09/15
山内正
3
今日弔つた隠居、無事彼岸へ行けたかな誰も引取に来ねぇ 店に女が聖天の紅屋からと 父が植木人で突風で転げ落ち死んだと 実のお父っつぁんかは分からない けど 三つの時養女に出されて 死んだからって連れて来られても 何とかしろって姑が小言を言う 番屋にでも運べば済む事をと 亡骸頭が割れて医者に見せてやしない 手拭いで血を拭き取ると 姑が目を逸した 知った顔を見たって様子だね 十五年前に牢から出たこの人は 女房に死なれてて娘をと途方に呉れた末に人に頼み娘を預けたと 身籠った娘と入れ替りに親が死んじまったか2022/08/31
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