内容説明
見えていてもわからないことが、見えないものを知るとわかる。
宇宙がどう誕生したのか。なぜ携帯電話で通信できるのか。
環境負荷を減らすにはどうしたらよいのか……
そういった身近な疑問から、宇宙規模の課題まで、すべての疑問に答えるのが元素である。
この世界にレシピがあるとすれば、それは元素の調理法ということになるのだ。
周期表に収まる元素のそれぞれには、本当にさまざまなドラマがある。
それらのときに可笑しく、ときに真面目な逸話の数々によって紡がれた本書を読めば、
世界を見つめる目がきっと変わるはず。
■内容より
・原子はどこから来たのか
・尿を煮詰めて金を得ようとした錬金術師が発見した元素がある
・放射線被曝量をバナナで測る単位がある
・この世で一番高価な元素はなにか?
・元素のベストテンを決めてみよう!
・周期表はどうやって今の形になったのか
・人体の自然発火はあり得るのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ようへい
12
化学とは元素とその用途を研究する学問。地球上には現在118種の元素が発見されていて、うち自然界に存在するのは89種。たったそれだけの元素で世界のあらゆるものが構成されている。原子(元素)は中性子、陽子、電子からできていて、陽子の数が1個違うだけで性質が大きく変わる。電子はしょっちゅう取れてりくっ付いたりする。この電子の働きが全ての化学反応の鍵となる。世界がこの最小の基本原理を土台に構築されていると考えると、本当に不思議な感覚になる。この不思議に思う気持ちだけを持って中学生か高校生辺りに戻らせてほしい。2023/10/21
Uz あなぐま
1
元素、原子、電子、陽子、量子……自分にとってはややこしい存在で続けて出てくると文脈を見失ってしまう。しかし、本書では化学研究の歴史や化学者についてのトリビアが豊富で、とても興味深く、楽しく読めた。不幸な化学者カール・シェーレ、コップから逃げ出す液体ヘリウム、光を当てても見えないペンタブラックなどのエピソードが特に面白い。「元素トップ9+1」は人類にとって特に重要な元素を選び出して、それぞれの元素が歴史の中でどんな役割を果たしてきたのか紹介。普段は目立たなくても欠かすことのできない裏方なんだなと見直した2022/10/18
dahatake
0
素晴らしい説明が展開されていた。化学も原子の話に行きつき、原子核の説明が必須なのだが。その電子殻間を電子が行き交う事で、光とエネルギーが変化する事を始めて納得できた。そして、それが安定さと不安定さを生み、周期表がメンテナンスされてきたわけも。 素晴らしい本。著者が根本を深く理解してる事がわかる。また読み返したい。2024/09/22