内容説明
浮き立つような春の夜空に輝く幾千の星。
夏の夜空に数多の伝説が浮かび上がる。
星を愛し続けた詩人から、星を愛するすべての人へ、
”星の抱影“が古今東西の詩文をまじえて綴る星日誌。
3月~8月を収録。
巻末付録:国立天文台副台長・渡部潤一教授解説〈春と夏の星空案内〉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
aoto
3
星にまつわるコラムや雑学。その範囲が幅広く、知識量には圧巻してしまう。特に興味深いのは日本古来の星の見方である。どうしても西洋の星座で星を考えがちなのだけれど、もちろん日本独自の見方も存在している。それが興味深く語られているところが他の冊子とは違う印象を受ける。2022/06/19
篠崎
2
冥王星の名付け親・野尻抱影の星日誌。毎夜、窓辺でゆっくりと読み進めた。昭和初期の日本の夜空は今よりどれほどの星で溢れていたのだろう。そんな空を眺めながら、こうして星を思った言葉たちは本当に素敵な贈り物だった。心に残ったページは多くあるけど、特に印象的だったのは空襲の火の空でも変わりなく瞬く星に強い憤りを感じたという言葉。こんなにも星を愛する人が星を呪いたくなるような激情…その傷を癒すのもまた星であることが残酷にも美しくも感じた。まずは春夏だけを買ったけど、秋冬も読もう!2022/10/13
とんぼ
1
日めくりカレンダーよろしく一日一話ずつ読んだ。知識量に圧倒される。星座や星の名前など今は共通名称が当たり前になっているが、かつてはその土地ごとに呼び名があった。そんな当たり前の事実にハッとする。「織代ちゃん」「弓部隊」など生の記憶の戦争の痛ましさがやりきれない。「義宮殿下」「星盗人」がとても好きなエピソード。土星を見て大笑いしたりきょとんとする人々の描写が印象的。確かにウソみたいな星だよなあ。「葉巻の火」ちょうど米発言のころに読んだので、時代が進もうとやはり政治家の心根は変わらんねとしみじみ思ったもんだ。2025/09/01
むすび
1
中公文庫BIBLIO版に後ろ髪を引かれつつこっちを選択。これはこれで装丁が好き。 星に寄せた365日分の語り。著者自身の観測の思い出、星の和名の研究に寄せられた情報、星に関する引用、日常あるいは非日常の中の星の姿と、星に対する著者の思いがとりどりに綴られている。寝物語のようにゆっくりじっくり味わいながら、著者の生きた時代柄、戦中の話や戦争が影を落とす戦後のエピソードもあり、折々に緊張もして読んだ。 引用の中には星にまつわる漢詩や、さらに浄瑠璃の詞章まであったりして、昔の人は文化人だなと感心する。2025/05/05
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