内容説明
苦節10年の末に、小説『食堂かたつむり』でデビューを果たした著者。執筆、サイン会、取材と怒涛の日々を送る彼女に代わって、ペンギンが台所デビュー。まぐろ丼、おでん、かやくご飯…。へとへとで家に帰っても、ペンギンと食卓を囲めば一瞬にして元気になれる。心のこもった手料理と仕事を通じての出会いに感謝する日々を綴った日記エッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SJW
178
ペンギンシリーズ第2作目。小説「食堂かたつむり」でデビューしと小川さんが仕事で忙しくなったてめ、ペンギン(ご主人のこと)ご台所デビューする。心のこもった手料理と仕事を通じての出会いを綴ったエッセイ集。時間に追われて疲れぎみの心が小川さんのシンプルで暖かい文章にほぐされていくような感じだった。2019/02/22
masa@レビューお休み中
134
初期の小川糸さんのエッセイ気になっていました。ようやく読むことができたのですが、やはり今と文章の感じが違いますね。『食堂かたつむり』でデビューしたばかりの頃の文章なんですよね。ブログということもあってか、公共の場に発信する的な硬さがあって初々しいなって思ってしまいました。日々のことはもちろん、『食堂かたつむり』が書籍化されたことや、サイン会のことなどが書かれています。当時から一貫して筋が一本通っている小川さんだからこそいいのでしょうね。これからも昔の作品も含めて読んでみたいと思いましたね。2016/04/29
優希
84
『食堂かたつむり』でデビューした頃のことがまとめてあります。忙しい日々になっても日々を美味しい、楽しいと過ごせる糸さん。出会いに感謝する気持ちが素敵だなと思いました。2017/12/26
のぶ
78
ブログを書籍化したもののようだが、軽いながらもとても楽しい内容だった。本作の時代は「食堂かたつむり」で小説デビューする直前から始まる。本が発売になってヒットしていろいろ忙しくなる過程が記されているが、本当に良かったとこちらも嬉しくなった。このヒットがなかったら、その後の小川糸があったかどうか分からない。それと小川さんは携帯電話を持っていないと書いてあった。今もそうかは分からないけど、そんな手紙を大切にする気持ちが「ツバキ文具店」を生み出したんだなと、切に思った。ペンギンとの生活も幸せそうで良かった。2017/08/17
ひめありす@灯れ松明の火
64
『食堂かたつむり』出版後、作家となった小川糸の日常を綴る二冊目のエッセイ集。デビュー作が大好評となっただけに、そこからが非常に目まぐるしい。インタビュー、サイン会、ラジオ番組への出演、対談、とどんどん外に向けて言葉を放つ機会が増えてきているせいか、この日記風エッセイで綴られる言葉は少し抜けていて、本当に普通のありふれた言葉と感情の綴り、という感じ。一冊目ほど説教的ではないかもしれません。ちなみに、食堂かたつむりよりもチョコムーンの方が出版物にのったのは早い、というのがちょっと意外でした。2012/06/05