内容説明
戦国時代は人を率いる立場にある者をいやがうえにも賢くし、智的水準を向上させ、その成果は数え切れないほど多種類の戦記として結晶した。それらの古記録を引用して編まれたのが『名将言行録』だが、残念なことに現在は絶版となっている。本書は、『名将言行録』を所蔵している当代一流の両読書人が、現代の眼から見て感動を呼び起こす勘所を、話題を広げながら語り下ろした価値ある一冊である。取り上げている武将は、いずれも強者の27人。北条長氏(早雲)、上杉輝虎(謙信)、武田晴信(信玄)、毛利元就、北条氏康、武田信繁、太田資長(道灌)、織田信長、柴田勝家、前田利家、山内一豊、細川藤孝(幽斎)、竹中重治(半兵衛)、今川義元、豊臣秀吉、黒田孝高(官兵衛、如水)、加藤清正、小早川隆、津軽為信、伊達政宗、石田三成、黒田長政、立花宗茂、細川忠興、真田昌幸、真田幸村、松田信綱。戦国人が現代人に遺してくれた叡智を存分に味わえる名著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
軍縮地球市民shinshin
4
『名将言行録』は戦国時代の武将を中心に、その故事逸話を紹介して、人生訓としたもの。明治4年に元館林藩士の岡谷繁実によってまとめられたもの。戦前はかなり人気が高かったらしく、多種多様な版がいくつもの出版社から刊行されていたが、戦後はなかば忘れ去られていた。それでも岩波文庫や講談社学術文庫の現代語訳などで読むことはできる。本書は著者たちが任意に取り上げた武将の逸話を紹介して対談している。谷沢・渡部の両者の対談は息が合っていてというか噛み合っていておもしろい。2015/12/16
52
0
抜粋してある名将言行録本文を読んでも理解できず。古文を読めるようになって原本を楽しみたいものだ。2016/12/12
Arisaka
0
(19)『名将言行録 乱世を生き抜く智恵』…本書は「乱世」を「現世」に置き換えても全く違和感の無い内容である。戦後、目標とすべき「人生の師」を見失った「からっぽの日本人」に魂を吹き込に、国史の中から人生を豊かにするための一冊!2015/03/03