内容説明
アメリカにおける保守主義とはなにか? 「進歩の国」アメリカに保守主義は存立しえないはずだが、実際には強力な運動として存在する。本書はこの矛盾に着目して、保守主義運動が産声を上げた1950年代からティ-パーティが全米を揺るがした2010年ごろまでを対象に、「アメリカン・イデオロギー」を浮き彫りにするものである。
目次
はじめに
序章 「遍在するアメリカ」をどう対象化するか――親米と反米のはざまで
1 日本にとってのアメリカの存在
2 アメリカ研究と反米論の展開
3 雰囲気としての反米、そしてなぜアメリカに関心を持てないか
4 アメリカを知るということ
第I部 保守主義運動の来歴と台頭
第1章 アメリカにおける保守とリベラル――対立の起源と展開
はじめに
1 対立の起源
2 対立の構図の特徴
3 対立と政治的変動
4 イデオロギー対立を乗り越えられるのか
むすび
第2章 保守主義台頭の力学――運動インフラの構築とそのインパクト
はじめに
1 逆風のなかで
2 融合主義と運動の萌芽
3 カウンター・エスタブリッシュメントの台頭
4 保守革命の時代へ
むすび
第3章 保守主義運動の持久力とその限界
はじめに
1 台頭の戦略
2 政治的記憶の共有
3 二つの声明──権力イメージの比較
むすび
第II部 保守系インフラの役割
第4章 保守系シンクタンクとアイディアの戦略的動員
はじめに
1 シンクタンクの誕生とその役割の変容
2 企業の政治参加と戦略的フィランソロピー活動
3 保守系シンクタンクが紡ぎだす物語
むすび
第5章 攻勢をかける保守系メディア――「リベラル・バイアス」への不信感とフォックス・ニュースの台頭
はじめに
1 「リベラル・バイアス」という問題
2 アメリカ国民と報道ジャーナリズムの関係
3 保守系メディアの隆盛
むすび
第6章 宗教勢力の政治活動を支えるインフラ――クリスチャン・ライトの政治的台頭
はじめに
1 宗教勢力にとっての政治的インフラ
2 運動の台頭を支えたインフラ
3 新しい世代の育成を支えるインフラ
むすび
第III部 オバマ時代における変化
第7章 現象としてのオバマ――「移動し続ける人」の大統領選挙
はじめに
1 パーフェクト・ストーム
2 大統領選挙と「本来性」の感覚
3 歴史との共振
4 オバマの他者性
5 動かない人、マケイン
6 浮動するアイデンティティ
むすび
第8章 ブッシュ政権後のアメリカ保守主義――その凋落と再生の条件
はじめに
1 クリントン・ロシターと気質的保守主義
2 実体化される保守主義と二つの神話
3 保守主義運動の再定義と脱神話化
4 原理主義に抗する思考
むすび
第9章 変貌をとげる福音派――政治と信仰の新たな関係の可能性
はじめに
1 エバンジェリカル・デモクラット
2 ハッカビーの乱と「思いやりのある保守主義」
3 政治的座標軸からの離脱
むすび
第10章 共和党とティーパーティー運動――アメリカ保守主義をめぐる新しい動向
はじめに
1 なにが起きたのか?
2 衝動から運動へ
3 運動から衝動へ
むすび
注
初出一覧
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
Tetsuya Noguchi
中年親爺
κενον
つ
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