アメリカン・イデオロギー - 保守主義運動と政治的分断

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アメリカン・イデオロギー - 保守主義運動と政治的分断

  • 著者名:中山俊宏
  • 価格 ¥3,080(本体¥2,800)
  • 勁草書房(2022/08発売)
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  • ISBN:9784326351640

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内容説明

アメリカにおける保守主義とはなにか? 「進歩の国」アメリカに保守主義は存立しえないはずだが、実際には強力な運動として存在する。本書はこの矛盾に着目して、保守主義運動が産声を上げた1950年代からティ-パーティが全米を揺るがした2010年ごろまでを対象に、「アメリカン・イデオロギー」を浮き彫りにするものである。

目次

はじめに

序章 「遍在するアメリカ」をどう対象化するか――親米と反米のはざまで
 1 日本にとってのアメリカの存在
 2 アメリカ研究と反米論の展開
 3 雰囲気としての反米、そしてなぜアメリカに関心を持てないか
 4 アメリカを知るということ

第I部 保守主義運動の来歴と台頭

第1章 アメリカにおける保守とリベラル――対立の起源と展開
 はじめに
 1 対立の起源
 2 対立の構図の特徴
 3 対立と政治的変動
 4 イデオロギー対立を乗り越えられるのか
 むすび

第2章 保守主義台頭の力学――運動インフラの構築とそのインパクト
 はじめに
 1 逆風のなかで
 2 融合主義と運動の萌芽
 3 カウンター・エスタブリッシュメントの台頭
 4 保守革命の時代へ
 むすび

第3章 保守主義運動の持久力とその限界
 はじめに
 1 台頭の戦略
 2 政治的記憶の共有
 3 二つの声明──権力イメージの比較
 むすび

第II部 保守系インフラの役割

第4章 保守系シンクタンクとアイディアの戦略的動員
 はじめに
 1 シンクタンクの誕生とその役割の変容
 2 企業の政治参加と戦略的フィランソロピー活動
 3 保守系シンクタンクが紡ぎだす物語
 むすび

第5章 攻勢をかける保守系メディア――「リベラル・バイアス」への不信感とフォックス・ニュースの台頭
 はじめに
 1 「リベラル・バイアス」という問題
 2 アメリカ国民と報道ジャーナリズムの関係
 3 保守系メディアの隆盛
 むすび

第6章 宗教勢力の政治活動を支えるインフラ――クリスチャン・ライトの政治的台頭
 はじめに
 1 宗教勢力にとっての政治的インフラ
 2 運動の台頭を支えたインフラ
 3 新しい世代の育成を支えるインフラ
 むすび

第III部 オバマ時代における変化

第7章 現象としてのオバマ――「移動し続ける人」の大統領選挙
 はじめに
 1 パーフェクト・ストーム
 2 大統領選挙と「本来性」の感覚
 3 歴史との共振
 4 オバマの他者性
 5 動かない人、マケイン
 6 浮動するアイデンティティ
 むすび

第8章 ブッシュ政権後のアメリカ保守主義――その凋落と再生の条件
 はじめに
 1 クリントン・ロシターと気質的保守主義
 2 実体化される保守主義と二つの神話
 3 保守主義運動の再定義と脱神話化
 4 原理主義に抗する思考
 むすび

第9章 変貌をとげる福音派――政治と信仰の新たな関係の可能性
 はじめに
 1 エバンジェリカル・デモクラット
 2 ハッカビーの乱と「思いやりのある保守主義」
 3 政治的座標軸からの離脱
 むすび

第10章 共和党とティーパーティー運動――アメリカ保守主義をめぐる新しい動向
 はじめに
 1 なにが起きたのか?
 2 衝動から運動へ
 3 運動から衝動へ
 むすび


初出一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

coolflat

12
保守派優位の時代は終焉を迎えている。イデオロギー的には流動的な局面である。左右両極の運動、ウォールストリート占拠運動やティーパーティ運動が象徴している。75頁。ヘリテージ財団をはじめとする保守系シンクタンクは総合シンクタンクである。特定分野に特化しているなら、中道派、リベラル派も多数のシンクタンクを擁するが、保守系は保守主義に立脚した研究を、内政、国際問題を問わず領域横断的に行い、単位個別の政策ではなく、大きな政治の枠組みを提示する。これらの帰結として、80年代の保守主義の台頭、即ちレーガン政権が誕生した2016/04/03

Tetsuya Noguchi

2
トランプ現象を理解するためにこそ、トランプがまだ一文字も出てこないトランプ前夜に書かれたこの書籍は、非常に大きな価値がある。 トランプ時代以降に書かれた書籍は、どうしても後追い的な説明が入ってしまうからである。 そのような問題意識でこの本を読むと、2006年~2008年にブッシュからオバマに交代する時代の保守主義の変容、ティーパーティ運動の突然の出現というものが、トランプ現象を用意していたということが実によくわかる。 中山教授には、2020年の大統領・議会選挙を受けた、続編をぜひ期待したい。2020/12/23

中年親爺

0
民主党=リベラル、共和党=保守という単純な図式ではない。オバマ登場の意味、ティーパーティーという超保守勢力の背景と性格。アメリカ社会の全貌を全て図式化して整理できたわけではないが、いずれにしろ、これまで漠然と持っていたアメリカは一つという印象を改めなければならない。2015/04/23

κενον

0
アメリカの保守主義について学べた。保守と一言でいっても、歴史なきアメリカにおいては特殊な意味を持ちうる。何を守ろうとしているのか?それはある意味日本にも共通した問いになりうるのかもしれない。2013/12/02

0
アメリカの保守主義について、その成功と変容を外観している。 保守主義成功の要因を多角的に分析しており、研究の足掛かりとなると思われる。2020/03/21

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