内容説明
はじめて行く土地、見知らぬ料理や文化、その土地の人々……。きままなひとり旅も、大切な誰かとの旅行も、その先に意外な出会いが待っている。様々な「はじめて」の旅を描いた7作品を収録。魅力あふれる旅先と、その土地ならではの美味しいものがたっぷり詰まった、実力派作家7名による書き下ろしアンソロジー。2冊同時刊行!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
534
【KU】断捨離の一環…というわけでもないが、気づくとここ数ヶ月開いてもいないことに気づき、アンリミを一旦解除することに。今月いっぱいまでは読めるらしいので、それまでDLしたまま放っておいたいくつかを読めるだけ読もうと思う。今作は、旅も美味しいものも大好きなわたしにはもってこいのアンソロジー。馴染みのある土地(台北・函館)や行ってみたい土地(アムステルダム)、はたまた聞いたこともない土地で主人公たちが食べる美味しいものの数々。どれも魅力的で、あっという間の読書体験だった。2025/02/22
ひさか
186
2022年7月角川文庫刊。仮なしのアミの会シリーズ。2冊同時刊行の1冊目。7つの書き下ろし短編。ゲストは坂木さん。坂木さん、松尾さんと共感しにくい話が続き、意気消沈したところを近藤さんの話で一気に開花して以下いずれも楽しめました。坂木さん、松尾さんも読み直して楽しみました。2023/11/18
まちゃ
186
「初めて」の旅とグルメを題材にした、七人の作家によるアンソロジー。旅に出る理由は人それぞれ、でも旅での「初めて」の出会いや体験で何かを得ることができる、そんな気にさせてくれる一冊。軽めの話から、重めの話まで、作家さん毎の違いが感じられて良かった。2022/08/25
いつでも母さん
181
アミの会の『美味しい旅初めて編』ゲストに坂木司さん。アンソロジーでしか読んだことの作家さんもいる旅と食べ物。無性に食べたくなったのは松村さんの『糸島の塩』の塩プリン!最後の晩餐は炊き立てご飯の塩むすびが希望の私と、同じな人がここに居たとニンマリしてしまう。あと印象に残ったのは永嶋恵美さんの『地の果ては、隣』ペリメニと言うシベリア風水餃子の件で、抑留経験のあった亡き父は知っていたかな?なんてしんみり。そして『当たり前が当たり前じゃなくなる瞬間なんて、知らないほうがいいに決まってる』で結ばれた現実。2023/01/12
Karl Heintz Schneider
138
心に残ったのは松村比呂美さんの話。信じていた男性に裏切られ自暴自棄になっていた32歳の女性。私には何も残っていない。仕事も、恋人も、貯金も。そんな時旅先で一人の女性と出遭う。一緒に回るうちに彼女の前向きな姿勢と糸島の美しい風景に癒され、少しずつ考えが変わってゆく。私には働ける体力がある。元カレの経営する今の会社は去ることになるけどこれからも続けていきたい仕事がある。その仕事に関する資格も持っている。そして前向きな気持ちにしてくれる友達もできた。ないものばかり並べていたけどあるものを探すと希望が残っている。2022/11/21