時代小説文庫<br> 妻紅 神田職人えにし譚

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時代小説文庫
妻紅 神田職人えにし譚

  • ISBN:9784758443562

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内容説明

縫箔師の咲は、小間物屋に納める財布を仕上げ、散歩の道すがら贔屓にしている蕎麦屋に寄った。見れば、店前で少しやつれた女が中へ入るのを躊躇っている。声をかけると逃げてしまったが、咲は女が傷んだ守り袋を大事そうに手にしていたのが気にかかった。守り袋とは、親が子の無事を祈って子に持たせるもの。そして後日、咲がまた蕎麦屋を訪れると、思わぬ場に遭遇して──。一針一針祈りを込めて、一生懸命に縁を紡ぐ咲の想いが心に沁みる、傑作人情時代小説第二巻。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

タイ子

94
シリーズ第2弾。タイトルの「妻紅」って鳳仙花のことだったんですね。縫箔師の咲のきっぷのいい性格は読んでいて気持ちがいいけど、今回はその咲も女だったんだなぁって思わせてくれる場面があって微笑ましい。嫉妬というものは自分さえ気づかなかった相手への気持ちがふと現れるものかもしれません。小間物屋の美弥と手代の志郎との仲もイライラさせながらもどうにか落ち着くが、咲と修次はつかず離れず。守り袋の母の愛、財布が取り持つ男女の縁、刀身に隠された解けない過去の謎の3つの物語。2020/10/23

真理そら

73
咲の元親方が登場したり、やや軽めに見えた修次の思いがけない過去が明かされたり、能役者の登場で咲の仕事の範囲が広がる予感が漂ったり…はっきりシリーズ化するんだねという嬉しさと共に読み終えた。しろとましろは相変わらずかわいい。2020/08/06

baba

47
前作に引き続き、しろとましろが愛らしく、丁度良いタイミングで現れる。咲と修二に変化はないものの、テンポよく話が運んでサクサクと読了。守り袋が良かった。2020/11/29

ひさか

39
2020年8月ハルキ文庫刊。書き下ろし。シリーズ2作目。守り袋、二羽の雀、妻紅の3つの連作短編。2作目にして、はやマンネリ感ややあり。最後の妻紅は、謎が残ったまま。ということは、次があるということかな。次に期待です。がんばれ!。2020/10/14

すみっちょ

31
咲の気風の良さと程よくお節介焼きなところが好きです。今回も孝太やおゆう、美弥や志郎のために一肌もふた肌も脱ぎますが、それもこれも咲の縫箔師としての腕があってこそ。どういう状況でも仕事を疎かにしない所が咲の良さで、職人として信頼される所以だと改めて思いました。比べるものでもないですが、上絵師の律より己に厳しい気がしてかっこいいと思います。修次と、しろとましろも入れて4人で暮らすのも悪くないかも…と思います。随所に登場するしろとましろが健気で可愛らしかったです。2021/01/17

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