内容説明
6歳の奈津江には、不思議な能力があった。誰かが失くしたものを探し出すことができるのだ。優しい両親とともに穏やかな日々を送る奈津江だったが、突然、立て続けに両親を失うという不幸が彼女を襲う。さらに、両親は自分の実の親ではないと知らされたのだ。呆然とする奈津江は、実姉を名乗る深咲に連れられ、父が経営する子どもたちの施設“祭園”に引き取られることになる。そこに暮らすのはわけありの少年少女たちだった。周囲を取り囲む黒い鬱蒼とした森、施設内をさまよう狐面の女、廃屋と化した“廻り家”と呼ばれる奇怪な祈祷所。やがて、奈津江の秘密が明かされるとき、惨劇が幕を開ける――。怪異と謎に溢れた極上のホラー・ミステリ。『災園』を改題。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
91
本書は「災園」の改題らしいが自分はそちらを読んでおらず手に取った。主人公は6歳の奈津江。両親を立て続きに喪い、彼らが実の親子関係でなかったという事実を知る。奈津江はひとりきりになってしまい、実父が経営する子供のための施設の「祭園」に引き取られることになった。そこで起きる怪奇な出来事について描いたものだが、正直な感想で自分には全く響くものがなかった。ホラー文庫で出版されているが、ホラーは雰囲気だけでミステリーの要素に近いものでそれも冴えない。辛口になったが、三津田さんは好きな作家なので今後に期待したい。2022/08/06
★Masako★
75
★★★✰︎☆ 両親を立て続けに喪った6歳の奈津江は、訳ありの子どもの為の施設"祭園”に引き取られる。そこには"廻り家”という不気味な祈祷所が。そして奈津江の部屋や祈祷所に現れる狐面の"灰色の女”の正体は…。狐使いの家系、呪われた血筋、三津田さんお得意の後ろからヒタヒタと迫る恐怖、奈津江の出生の秘密、あの予想外のラスト等面白くはあったけど、子供たちが主役のせいか、それほど怖くはなかったかな。白狐、黒狐についてもっと知りたかった。聡明だという奈津江の言動や思考があまりに大人びていて、ちょっと引いてしまった。2022/09/01
mihya
72
狐使いの血を引く少女の養父母が亡くなり、実父が営む施設へ行くことに。施設に潜む怪異と謎とは…みたいな内容。なんとなく結末が分かってしまったが、まあ結構楽しんで一気読み。 狐の力と言えば何でもありな気もするが、年齢の設定はもうちょい何とかならなかったのか。違和感がありすぎる。2023/06/21
大阪魂
56
三津田さんの新しいのゲット!って思てたらなんか既読感…あ、「災園」って昔読んだやつやん!タイトル変えただけ?ってガックリ…でも全面改稿らしく読みやすなったしスジも結末もぜんぜん覚えてへんかったから新鮮に読めた!6歳の奈津江が狐の申し子ってことで児童施設?の「祭園」に養子として引き取られたんやけど、他の子らに謎の建物「廻り家」で肝試し強要され、そこで謎の灰色の女に追っかけられ…次の日から他の子が1人ずつ消えて…真相はちょいゾワ!あとやっぱ年齢違和感やけど狐の申し子やからねー!新・家3部作の「魔邸」読まねば!2023/09/11
キナコ
46
ホラーミステリー。頭の良い女の子視点でストーリーは進む。不思議な力を持つ女の子が両親の死をきっかけに、ある養護施設に行くがそこには子供たちにのみ実施している不思議な儀式があった。限られた敷地内で起こる奇妙な出来事の数々。消えていく子供たち。警察には連絡しない大人たち。徐々に明かされる施設内での出来事が衝撃的。イヤミスではあるが一気読みのホラーノベル。2024/06/02
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