出版社内容情報
上海──。魔都と呼ばれた時代があった街。その妖しい響きのままに咲き出でたような、上海リリーと名のる美女の数奇な生涯を描く
内容説明
上海。魔都と呼ばれた街。密命を帯びた日本軍人と、ダンス・ホールに憧れる若者の二人は、デカダンの香り高い謎の美女、リリーに出逢った。スパイ、暗殺団の襲撃、国際政治の虚々実々の駆け引き。そして、遙かな時を隔てて明らかになる人間の真実。エンターテインメントの巨匠が広大なスケールで描く冒険小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
霜月什緑
1
スパイや暗殺、政治的駆け引きと恋愛的駆け引き。人間は愚かだからこそ美しい。2013/06/16
slowbird
0
上海で知った妖艶な踊り子リリーが、実は日本軍将校の愛人で、アメリカの情報将校、八路軍の将軍、モンゴルの部族の王子などとも奇々怪界な関係になっている。スパイであり、二重スパイ、三重スパイ的な存在である。そんな彼女が利用されているのは、美女としての魅力だけでなく、この魔都と呼ばれた上海の街において権力の象徴とみなされているから、そういう混沌を飲み込むことが統治者に求められる資質だからか。そして国民党、共産党、汪兆銘政権、日本その他の各国勢力が、破局せずバランスが保たれている状態を維持したいということなのか。2025/10/16
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