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内容説明
2022年2月、ロシアのウクライナ侵攻によって世界は予測不能な激動の時代へと突入した。だがこの戦争の苛烈きわまる現実やその背景を、日本のメディアは的確に伝えられただろうか。「なぜこんな事態が起きたのか」という人々の切実な問いに向き合えただろうか。長年、国際報道の理想と現実の間で格闘してきた第一人者が、ウクライナ戦争によって浮き彫りになった日本メディアの抱えるジレンマを指摘するとともに、激変する世界を前に国際報道が果たすべき役割を考える。
目次
はじめに──なぜ戦争を予想できなかったか
第1章 先駆者たち
1 最初の特派員
ヨコタテが象徴するもの
マイナー・リーグ
「将軍」岡村昭彦
日本ジャーナリズムへの不信
岡村はなぜ行動できたのか
自由な戦場取材
戦争と日本人記者
2 世界をじかに見る
行動する芥川賞作家
先進国には書くことがない
解放戦線への疑義
米兵のヒューマニズム
じかに見んといて、なにわかんねん
3 複雑な世界に挑む
大量殺人の思想
万人にひそむナチズム
アーレントとの共通点
アルジェリア戦記
激動の地を訪れる
現実離れした国際理解
4 沈滞する国際報道
メディア記者たちの仕事
なんでもみてやろう
世界への関心の薄れ
通じない紋切り型
第2章 国際報道の落とし穴
1 をつく人々
「耳」には頼れない
ロマンチックな思い入れ
世界史的な転換か
2 ロマンで曇る目
なぜ中国を見誤るか
歴史の「目撃者」
中国核実験に騒がず
奇妙な「中立論」
「地上の楽園」
崩れ去った幻想
3 通じない善悪二分法
もう一つの選択肢
テヘランの夜
イスラムは近代の否定か
テロとイスラム
心の平安を守る
「分かりにくさ」の正体
4 「頭では分からない」ロシア
ロシアの恨み
ロシア民族の誇り
なぜ領土交渉で間違えたか
島を返す気がない
内向きな日本の論理
西側の過大な自己評価
米国に背を向ける新興諸国
第3章 混迷するアメリカメディア
1 固定観念の支配
世界に延びる米メディア
米国への楽観と悲観
リップマンの固定観念論
過去を通して今を見る
2 分断とメディア
ロシア疑惑とは何だったのか
情報源は噂話
メディアが間違えた三つの理由
スキャンダル報道の罠
皆が金字塔を打ち立てたい
国民不在の報道
背を向けられるメディア
トランプ派が抱える不安
3 聖域でない「報道の自由」
最高裁判事のつぶやき
政争当事者となったメディア
一六一九プロジェクト
4 愛国の戦争報道
米メディアは自由か?
操縦されたメディア
広告代理店の戦争宣伝
9・11と愛国心
星条旗に包まれて
戦争のお先棒を担ぐ
エンベッド取材
第4章 世界の思想戦とメディア
1 もう一つの声
英米メディアの影響力
アルジャジーラの戦い
きれいな戦争はない
失敗した広報戦略
報道が偏る中東
ウクライナを特別視しない
2 プーチンの世界
歪んだ歴史観
地政学的破局
二一世紀の積極工作
ヒラリーを追い落とす
愛国ハッカー
「もっと聞こう」
西側の分裂を突く
3 米中の制脳戦
中国派は増えているか
シャープパワー
孔子学院の失速
抑圧される学問の自由
オーストラリアの抵抗
退屈なCGTN
権威主義の弱点
第5章 ウクライナ戦争報道
1 なぜ戦争に引きつけられるのか
異例の国民的関心
五つの理由
映像のリアリティー
「悪漢」プーチン
核戦争の危機
結末が見えないドラマ
「北」で起きた戦争
戦争をめぐる論壇の戦い
ジャーナリズムの復権
2 現場取材の現実
力を入れる欧米メディア
マリウポリルポの迫力
記者の安全
戦場取材の訓練
3 ハイブリッド化する戦争報道
現地メディアの映像
カダフィ殺害のスクープ
フェイク情報
米英の情報戦
ウクライナのIT軍
真贋を見極めるメディア
ロシア側の声
4 日本人の視点
欧米メディアの活用
現地人記者との連携
オシントの活用
メディア間の協力
国際発信の強化
日本人への訴求力
外から見る強み
チャンスがある日本の国際報道
おわりに
参考文献
感想・レビュー
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スプリント
geoff
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