内容説明
この恋が永遠でないことを知っている。
けれど感じることができるのは現在だけだ。
『アーモンド』『三十の反撃』の著者が贈る、
四人の男女の、揺れ動く心の移ろいを繊細に描いた、大人の恋の物語。
ひとつの恋が終わると、すぐに次の「愛する人」を見つけてしまうイェジン。
「いい人」とよく言われるものの、他人と一定の距離を保つドウォン。
離婚した元夫と、不毛な逢瀬を重ねつづけるジェイン。自らを危険人物とみなし、恋愛とは無縁な人生を歩んできたホゲ。
同じ建物で働くイェジンとドウォンは、休憩時間に互いを知るようになり、ジェインのベーカリーでアルバイトをするホゲは、オフ会でイェジンと知り合った。偶然四人が出会ったとき、ドウォンとジェインが十年ぶりの再会を果たし…。
「普通の恋愛小説とは違うものにしたかった。ナイーブな失敗を重ねて迷いながら成長していこうとする、不安な若さを描きたかった」
――ソン・ウォンピョン
過去の傷や闇を抱えた四人の男女が、人との出会いを通して自分を見つめ直し、成長してゆく姿を繊細に描いた、大人のための恋愛小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
185
ソン ウォンピョン、3作目です。本書は、男女四人四季物語、恋愛譚の佳作でした。ピラミッド型のプリズムは好きです。 https://www.sun.s-book.net/slib/slib_detail?isbn=97843966362892022/11/04
おしゃべりメガネ
107
『本屋大賞』にて翻訳部門を受賞している作者&訳者さんの作品なので、ストレスなくスムーズに読むコトができました。舞台は韓国、男性二人、女性二人が奇しくも偶然に出会い、それぞれを見つめなおしながら成長していく話。ベタといえばベタで特段大きな変化もなく、淡々と進んでいく展開は知らぬ間にすっかり魅了されていました。四人が四人、それぞれに思いがあり、時として勝手な言動に身を任せてしまいますが、そこもまた一つの成長としてしっかりと綴られていきます。人生、うまくいかないトキもあるけどなんとかなるトキもありますよね。2023/05/13
美紀ちゃん
87
大人の片思いストーリー。 4人の想いがいい感じですれ違う。 ドラマになりそう。 ドウォンはモテすぎでホゲはかわいそう。 ソンさんの「アーモンド」が好きで、この作者の本を読んでみたかったのだけど、 これは大人の話なので、 学校にはいらないかなぁと思った。2022/08/12
☆よいこ
77
韓流恋愛小説。ソウルに住む4人の男女の1年間の恋愛模様▽チョン・イェジンは(27歳)は街中でぽっかり空いた空間でカフェタイムを取っていた。偶然同じ場所でコーヒーを飲んでいたドウォン(35歳)と知り合い、イェジンはドウォンに恋をする。不眠症チャットのオフ会で知り合ったホゲ(25歳)はイェジンに恋心を抱くも、イェジンはドウォンに夢中。ホゲはパン屋の上司ジェィン(34歳)を連れて、イェジンとドウォンに会うと、実はジェインとドウォンは古い知り合いだった▽月9かな。好きになったり別れたり。2023/11/28
ゆのん
69
本屋大賞翻訳部門に入賞した作品なので、苦手な恋愛小説だが、著者の『アーモンド』がとても良かったので期待値高めに読み始める。4人の男女が出会い恋に落ちてゆくのだが、それぞれの外から見えるものと内面の本当の自分との描写が良かった。出会いによって初めて気づく自分の気持ち。好きなのに上手くいかない状況に少々イライラしながらも未だ観た事の無い韓流ドラマってこんな感じなのかなと思いながら読了。やはり恋愛小説は私にとってはハードルの高いジャンルだなと再認識した。2023/06/21