ラディカント

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ラディカント

  • ISBN:9784845918188

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内容説明

イメージやモノが氾濫し、群島化した世界にふさわしい「オルターモダニティ」とは?
翻訳の思考を通して現代の美術批評を素描するとはどのようなことか?

今日の旅する人(ホモ・ウィアートル)としてのアーティストたち──
時空間のなかを浮遊しながら根を伸ばし張りなおしていくような、その「ラディカント」的実践の分析から、文化や想像力の標準化に抗するしなやかな美学が浮かびあがる。「関係性の美学」を提唱したキュレーター、ニコラ・ブリオーの著書、待望の初邦訳!

グローバル化され「大きな物語」「歴史」を失って久しい現代、さまざまな形態、イメージ、モノ、言説が氾濫し、差異が重要性をもつ世界を読み解くのにふさわしい美学とはどのようなものだろうか? ブリオーは、起源としての唯一の「根」を讃えた「ラディカル」なモダニズムとも、多文化主義的なポストモダンや多様で同時的な組織網たるリゾーム(地下茎)とも異なる、前進するにつれて根を伸ばし張りなおしていく「ラディカント(radicant)」的あり方を備えたモダニティ=オルターモダンという視座を提示する。

そこで重要なのは、翻訳の身振りであり、イメージを他のコードに変換し、みずからの根を異質なフォーマットに移植することである。アーティストたちは他の時代や場所の素材を使用・転用し、記号航海士として放浪しながら現代の文化的風景の中に道筋をつくりだしていく。

本書は、1998年『関係性の美学(原題:Esth tique relationnelle)』で美術の新たなパラダイムを切り拓いたブリオーが、21世紀の今日的状況を考察するため、旅人としてのアーティストたちの実践を通して新しい時代のしなやかな美学を描き出した、文化や想像力の標準化に抗するための挑戦的一冊である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

その他

2
ポストモダンの果てに作家が保つべき軸や立ち位置について、力強く大きな旗を立てるような本だった。“お行儀良く”立ち回る美術や作家の在り方を批判しながら、作家の仕事とされてきた「翻訳」というキーワードを「移動」と再定義する事で、原点的な根を張る事と先を指し示していく事を両立してみせた。2025/02/20

sho / right27

2
発売年的にインターネットがまだ「夢」だった時代の話だったりするのかな。記号航海士の話は夢があるしなんでもかんでも「ルーツ」に結び付けんでも(またはルーツからしか芽生えないわけでもない)という話は分かりつつ、それでも逃れられない「宿命」みたいな考え方に結局なるところもある。その概念が社会に漂っている限り自由にはなれない的な?2024/05/31

のそみ

0
結論としては、グローバリゼーションの課題は物象化で、アートはそれに抵抗する実践であれ、ってコト!?2024/02/01

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