水上バス浅草行き

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水上バス浅草行き

  • 著者名:岡本真帆
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • ナナロク社(2022/06発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784867320105

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内容説明

【収録短歌より】
ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし
3、2、1、ぱちんで全部忘れるよって今のは説明だから泣くなよ
平日の明るいうちからビール飲む ごらんよビールこれが夏だよ
犬の名はむくといいますむくおいで 無垢は鯨の目をして笑う
教室じゃ地味で静かな山本の水切り石がまだ止まらない
愛だった もしも私が神ならばいますぐここを春に変えたい
星座にも干支にもならず土曜日のわたしの膝におさまった猫
間違えて犬の名で呼ぶ間違えて呼ばれたきみがわんと答える

【著者より】
浅草行きの水上バス。
どこかに急いで向かうための乗り物じゃない。
むしろ、乗らなくてもいい、そんな乗り物。
なくても、生きていけるもの。
でもそういう存在が、心に潤いや光を与えて、
わくわくさせてくれるのを知っている。
そんな歌集をつくっています。
著者:岡本真帆


【著者プロフィール】
岡本真帆(おかもと・まほ)
一九八九年生まれ。高知県、四万十川のほとりで育つ。未来短歌会「陸から海へ」出身。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はっせー

110
久しぶりの歌集。短歌の本である。ゴールデンウィークで朝から歌集が読みたくなり読んでみた。タイトルの意味を知って読んでみたら本当に温かい日常に溢れていると感じた!タイトルの意味は浅草まで行く方法として電車がメジャーだが水上バスという手もある。水上バスは急いで乗るものでもなく乗らなくてもいいもの。だが一見無駄かと思うものが自分を支えているという意味。短歌は小説のワクワク感やビジネス書の達成感もないかもしれないが日常に溢れている当たり前を少ない文字で奏でるリズムに心が小躍りする素晴らしさがこの本にはあった!2022/05/03

もぐたん

81
詠まれる歌の切れ端に思い切り共感。あさり、石焼き芋、マヨネーズなどの生活感溢れる言葉。犬、猫、鳥など、可愛らしさや自由の象徴としての動物。脇道、金木犀、水切り石など、それだけでも想像の広がる、心の奥に響いてくる言葉など、日常のそこここにある普段着の言葉たちが見せてくれる、小さな小さなハートの弾みやちくりとした痛み、アッという発見の瞬間を、作者ならではの優しい視点で切り取った、可愛らしくて愛おしい、何度でも読みたい短歌集。読後は、選りすぐりのお気に入りを、大切な人と語り合いたくなること間違いなし。★★★★☆2022/06/20

あや

79
平易な言葉で豊かな感情を詠む素敵な歌集。佐野元春さんの「水上バスに乗って」と関係があるかどうかは最後までわからなかった。あとがきも素敵。何日か前に4刷ができたとネットで読みました。短歌ってなくても生きていけるけどあると人生が豊かになる。2022/05/28

コットン

67
日常系のどこかシュールな明るく軽やかさがあって、くすっと笑える歌集。2023/03/12

konoha

62
ずっと気になっていた歌集。小さくかわいい佇まいと装丁。「ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし/君の夢だと分かったら好き勝手やるシンバルも投げるし笑う/防弾着、かならず買って。街中の銃はスマホのかたちをしてる」 日常生活のときめきや楽しさ、周りの人や物への愛を詠んだ歌には、社会への鋭い視点がある。等身大の思いが伝わってきて今時すぎないのがリアル。誰もが見ている風景を新鮮に切り取る。小さな世界や瞬間を描きながら、人生の真理を突いていてはっとする。普段、短歌を読まない人にもおすすめ。2022/10/28

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