内容説明
気鋭のゲームクリエーターになった32歳の光太。自社のゲームが不祥事に見舞われるが、チュベローズ時代の仲間たちの助けを借りて、事態は会社を罠に嵌めようとする組織の裏工作だと突き止める。上司の八千草とともに収拾に奔走する一方、光太は美津子の甥であるユースケとともに、彼女をめぐる真相に向き合うことになる――。衝撃とカタルシスに溺れるジェットコースター・ミステリ、完結編。(解説・大森望)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
259
30社の入社試験・面接に落ちて就職留年したんだよね。光太優秀。入社試験如きで人の能力など計りきれる物などでは無いと言うアンチテーゼの様な物なのだろうか。ホストの経験が潜在能力を開花させたという事なのだろうか🤔。等と、思っていたらとんでも無い真相でしたよ。有り得んけど、凄いおもろい。AGE22はやはり丁寧な前振りだったんですね。AGE32はその布石から色々事件なんかが勃発してね。その火消しに奔走する事で、スピード感を持ってストーリーは進行して良いですね。ビックリドッキリメカ発進したよ。2023/11/27
こーた
178
前編で撒いた種が、見事に花を咲かせ実が成る。決定論、或いは運命と云ってもいいが、それがこの作家の主題ではないか。過去は変えられないけれど、その価値は変えられるし、同様に未来も決まっているかもしれないけれど、生きる意味を見出すことはできる。登場人物にとって、作家は人生を如何ようにも決定できるプレイヤーだが、その価値や意味をどうとるかは読者に委ねられている、と云ったあたりに、この作家が小説を書く動機が潜んでいるのかもしれない。いずれにせよ、生きることを肯定しようとする、ポジティヴな態度が良い。次作も愉しみだ。2023/07/26
ジュン
68
新潮文庫の100冊 2023年より。AGE 22でなんで?と思ってた伏線をしっかり回収。驚きと思わぬ展開と近未来的SF感とこちらの本でも疾走感半端なく、ジェットコースター本としての存在感あり。次はどうなるのかと気になる作品だった。長く閉ざされたコロナ禍を経て、ゲーム界もガジェット的な物も車も日本では期待された程は発展しなかったので、著者が2015年に構想してた2025年頃とは違い、近未来感が残った作品となった。単行本から変更、大幅に加筆されて文庫になったらしいので、単行本も気になります。2023/08/17
アクビちゃん@新潮部😻
53
【2022新潮文庫100】正直、色々と気になる点はあったけど、それを気にさせない面白さと勢いがありました。小説って、それで良いと思います。AGE22から10年後、もうAGE22の登場人物たちは出ないのかしら?と、寂しく思っていたら、登場し活躍してくれ嬉しかった♪ ラストに明かされた真実は、思いもよらない事だし、納得できないけれども、私とは違う感性だからこそ面白く感じるのかもしれないな。挫折している「オルタネート」も、また最初から読むことにしましょうかね〜(*^^*)2022/07/16
Kanonlicht
48
てっきりホストクラブの話が続くのかと思いきや、下巻は大きく趣向が変わり企業モノ。確かに10年も経てば誰だろうと人生のステージは変わるわけで、主人公を取り巻く人間模様が大きく変化しているのも納得。会社を揺るがすクレームに対するトラブルシューティングをきっかけにして、上巻の終盤に提示された謎が少しずつ明らかになっていく。やや登場人物の行動にこじつけ感があったけれど、細かい伏線がたくさん散りばめられていて全体的には面白かった。2023/08/19