内容説明
カラフルな絵文字に隠語の数々、派手な宣伝文句が氾濫するSNSや、秘匿アプリを通じて、今日も違法薬物が売られている。親に隠れて手を出すのは中高生や大学生、売人もまたごく普通の若者たちだ。スマホを介した「密売革命」によって、子どもたちの薬物汚染は近年、急速に蔓延している。ひと昔前とは様変わりした最新ドラッグ事情から、安易な誤解で広がる大麻の脅威まで、元「マトリ」トップが実例とともに徹底解説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みこ
29
元麻薬取締官による現代社会の薬物汚染について。著者の本は二冊目で前回(マトリ)は取締官時代の反社会的組織との攻防を刑事ドラマさながらに描いていたのだが、本作はまさに現代社会の闇を描いている。薬物犯罪に関わるものが使う側だけでなく売る側までも低年齢化している現状に愕然とする。大麻についても初めはビールを飲み始めた人が後に様々なお酒に手を出すことに例えているので分かりやすく危険なものと認識できる。私も大麻が煙草より安全な物と言うなら煙草を規制したほうが良いと思う。2022/09/04
mana
26
図書館本。お薬もぐもぐ界隈は知っていたけども、違法薬物までもネット上で買えるのかと驚き。大麻解禁を肯定している人は、いい情報しか見えていない…これは心理学的にも説明できる。そして、悪い人は何としてでも近づいてくる……。2024/10/22
彩灯尋
19
試しにここに載っていたワードをXで検索してみたらわんさか出てきたし、プレゼント企画までやってる。これはたしかにやろうと思えば気軽に手に入れられちゃうな。大麻が解禁どころか使用罪が適用された今、逃げ道は無くなりつつある…といいけど。2025/01/07
anken99
8
書名からある程度の内容は想像できていたものの、子を持つ親としてはなかなかに衝撃的な現実であった。スマホやSNSを子供が自由自在に使える現代においては、年齢など関係なく、誰しもが麻薬を買えてしまう。本書で紹介されていた実例は、当事者の立場に立って考えると、なかなかエグい。というのも、麻薬は一度使ってしまったら最後、常習性から逃れることのできない代物だからだ。とはいえ、麻薬体験率といった数値を見ると、日本は段違いに低い数字である。合法ドラッグなど存在しないというのが、個人的な持論。これからも断固禁止だと思う。2025/03/18
アーク
8
ドラッグが自己責任では済まされないほど自身や他者に対して大きな影響を与えることがよく分かる。そしてその沼に落ちたら、這い上がるのは容易ではないことも。某元総理夫人のように大麻解禁論を持ち出す人たちは、こういう本を読んでその是非について再考する必要があるだろうな。ドラッグの恐怖について克明に触れた一冊。2022/10/04