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内容説明
「大学は出たけれど」、新興宗教ブーム、10銭均一売り場……「暗い時代」の明るい日常生活。「十銭均一売り場」に足を運ぶ消費者、女性の地位向上を推進するモダンガール、新興宗教ブーム、就職難にあえぐ学生──。現代社会の原点=戦前を生きた人びとの実像を描き出す一冊。(講談社現代新書)
目次
1章 昭和の大衆消費社会(デパート―大衆消費社会の象徴 アパート―戦前昭和の縮図 映画―スクリーンの向こうのアメリカ 家庭電化製品という希望)
2章 昭和の格差社会(モダンガールの登場 モダンボーイ―新中間層の苦闘 プロレタリア文学と大衆 「エロ・グロ・ナンセンス」)
3章 格差是正の試み(立ち上がる農民―雑誌『家の光』の世界 「婦人」の登場 新しい労働者 新興宗教の興隆)
4章 カリスマ待望と戦争(ラジオと戦争 エプロンからモンペへ 写真壁新聞というメディア ファシズムへの共感)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
29
戦前の日本がアメリカに近く、また憧れてた社会だったことに驚かされる。それは、都市と地方の格差の大きさ、貧富の差も含めて。そして、日米ともに、戦争を起こすことで、格差が拡大しすぎて破綻に向かっていた社会を立て直すことができたことにも。◇農地改革、労働組合、教育改革…、アメリカの革新官僚が持ち込んだ各種の理想を、上がごそっと抜けて前面に立った若手官僚や経営者たちがアメリカ以上に効果的に実現できたのは、この資産を活かしたからなんだなあ。◇さて、今回の格差拡大をいかに戦争ナシに乗り切るか。我々のチャレンジである。2015/02/21
金吾
25
世相が伝わるとともに確かに今と似ている部分はあるなあと思いました。格差の話は興味深い内容でした。2024/01/08
skunk_c
21
アメリカ化、格差社会の平準化、そして大衆民主主義の末期をキーワードにして綴る戦前の昭和社会史。「モガ・モボ」「エロ・グロ・ナンセンス」等の言葉で知られる時代について、映画などを通じてアメリカ化が追求されていたことを豊富な具体例で示している。アメリカは最大の貿易相手国であり、憧憬の対象であったのに、それが突然鬼畜になったとも。ここに前大戦の悲劇が凝縮されているかもしれない。そして戦後従順に従ったのもこのあたりが要因か。女性の活躍に多くが裂かれているのも魅力、一方共産主義運動はインテリ中心故支持されなかった。2016/12/18
わった
19
学校での日本史の授業において、一番すっとばして授業をされてしまうあたりが詳細に書いてあり、様々な発見がありました。流行は繰り返すといいますが、時代も繰り返されているんだなと感じました。昭和恐慌で女性の社会進出が増えたことと、リーマンショック後のことと関連づくのではないか?と疑問が浮かんだり、また近衛文麿が絶大な人気があったこと、まったく知りませんでした。引用文があり当時の事をそのまま知れるのは良いのですが、もう少し解説があると読みやすいな…と新書初心者(早口言葉みたい)は思いました。2016/05/27
かんがく
18
格差の是正(平準化)を求める大衆に対し、革命を掲げる左翼と、国家改造を掲げる右翼の行動は挫折し、カリスマ近衛をトップにした戦時における下方平準化が進められる。アメリカ化と大衆民主主義もテーマとして、デパートや映画などの文化面からも戦前昭和社会が描かれる。引用される史料が豊富で、当時の人々の考えがよくわかった。2020/11/01
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