内容説明
僧侶の「私生児」として生まれたのち、文学と恋愛に心を奪われて中学を中退。北海道を彷徨う漂泊の日々。転職につぐ転職。友から借銭して娼婦と遊んで妻を苦しめ、放蕩の限りを尽くしたかと思えば社会主義に傾倒する――。貧しさに喘ぎつつ、引き裂かれるほどの烈しい精神を歌に刻印した劇的な生涯。膨大な資料をもとに、感傷的な歌を残した夭折詩人というイメージを覆す生彩豊かな傑作評伝。(解説・平野啓一郎)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
つねじろう
38
天才はやっかい。そうそう身近に現れたりすることって無いわけだし、もし出逢っちゃったりするとそりゃビックリするし、手なんか握られて君こそ親友だって言われたら何でもしちゃうかも知れない。キーン先生はその天才に振り回された周辺の人々も丁寧に拾って描いていく。天才が故の破天荒、天才が故の大不満、天才が故の社会不適合。自由自在に短歌は操れるのに生活の為にも本当は小説家になりたくてなり得なかったというのが貧乏よりも病気よりも一番の悲劇だったのかも知れない。キーン先生の彼への愛情が72Pに及ぶ脚注や参考文献で分かる。2022/07/31
fseigojp
10
これは子規も読まんとあかんかも2022/10/05
門哉 彗遙
6
天才は自己破滅的なのだろうか。彼の行動は凡人の僕には理解できない。 最初に驚いたのは、結婚式の日に逃げ出して行方不明になったことだ。反対されながらも恋愛の末での結婚だったにも関わらず、なぜかしら彼は逃げた。結婚式は新郎不在のまま執り行われたとか。でも数日後戻ってきて新居に住み始めた。その神経がわからないし、妻や親族たちは帰ってきた啄木を受け入れた気持ちもわからない。 彼は本当は小説家になりたかったが、作品は評価されることもなかった。でも短歌は息を吐くように名歌を詠み、高い評価を得ていた。 2026/04/24
花陽(かよう)読書会
6
この著者の書くものは品が良い。著者は、石川啄木について、どうしても「書きたかった」人物だと語っていたらしい...これが、その1冊と思われます。あまりの文才ゆえに子供の頃から「神童」と呼ばれ、金田一耕助とは生涯の親友であり、短歌は15歳から書き始めたそうです。読後の印象としては、啄木は破天荒ながらも、自分に正直な人という印象を受けました。そして天才には、自然と、人の輪ができてゆきます...けれども、その人の輪に収まらない天才肌の啄木。26歳で夭折した、この作家を知る、よい機会になりました。おススメです。2023/01/10
ふくとみん
5
石川啄木の日記が優れているから書いたようだ。日記を読んでみたい。2023/09/03




