内容説明
「胸さわぎの腰つき」の衝撃から44年。以来ずっと桑田佳祐は自由に曲を書き、歌ってきた。日本語を巧みにビートに乗せ、「誘い涙の日が落ちる」といった独創的な言葉を紡ぐ。情感豊かな歌詞で日本人の心を鷲づかみしながら、エロくキワどい言葉を投げ、愛と平和を正面から訴える。はたして桑田佳祐は何を歌ってきたのか――。サザンからソロまで1000に及ぶ楽曲のうち、26作の歌詞を徹底分析。その“ことば”に本質が宿る!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きみたけ
80
著者は音楽評論家のスージー鈴木氏。情感豊かな歌詞で日本人の心を鷲掴みしながら、エロくキワどい言葉を投げ、愛と平和を正面から訴える桑田佳祐。サザンからソロまで1000に及ぶ楽曲のうち26作の歌詞を徹底分析した一冊。一番の驚きは守備範囲の広さ。ラブソング、エロソング、コミックソング、ナンセンスソング、メッセージソングと実に幅広く、改めてサザン桑田佳祐の奥深さを知りました。 ちなみにカラオケでよく歌うのは夏が「TSUNAMI」で冬が「白い恋人達」です。2022/11/28
Sam
57
敬愛する桑田佳祐の本なので読んでみた。でもスージー鈴木って誰?単なる太鼓持ちとか桑田佳祐の名を借りて自分語りばかりするような本だったらイヤだな…などと思いながら読み始めたのだがそんな懸念を吹き飛ばす力作。とはいえその歌詞から戦後民主主義の申し子としての桑田佳祐を描き出すという試みには(確かにそうだろうと思いつつも)あまり興味はなく、むしろ歌詞と楽曲が一体不可分であるところに桑田佳祐の真骨頂があるはずで、その辺りを中心に分析した前半部分の方が面白く読めた。「桑田流・階段型人懐っこい音列」っていうのが出色。2022/07/14
ホークス
44
2022年刊。桑田佳祐の音楽史素描。何十年も彼の音楽から遠ざかっていた。空気の苦手な私は、半分息を止めて組織人をやってきたようだ。飲み会や世間話は今も好きじゃない。20世紀の曲はけっこう知っていて、桑田氏の自由奔放さに救われていた事を思い出した。北野武との共通点として、「照れ」を積極的に活用した「自分イジり、自己パロディ化」を挙げている。憎めない個性が言語化されていて面白い。今も桑田氏に好感を持つのは、ビートルズという先祖を共有している事もあるだろう。一番好きな曲は『真夏の果実』。2024/07/21
Shoji
44
Zepp なんば大阪という桑田さんにとっては小箱で「ヨシ子さん」のプロモーションライブがありました。スタジアムやドームでさえ、なかなか当選しないのに、私、当選しまして、そりゃあ一生分の運を使った気がしました。内容は、エロダンサーが入れ乱れ、水入り紙コップ投げまくりのいつもの奴ですが、MCで『銀河の星屑』について「ガン闘病中に見た世界を詩に書いた」と。それ聞いて、歌う姿みて泣いちゃった。この本も、そんな作者の私見が詰まった本でした。コアなファンにはお勧め。2022/06/24
ハスゴン
32
音楽を聴く時には歌詞をや読み込むのが好きなので、大ファンである桑田佳祐さんの歌詞をここまで解説してくれるとまた聞き心地が違ってくると思う。2022/06/19