角川新書<br> 長期腐敗体制

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角川新書
長期腐敗体制

  • 著者名:白井聡【著者】
  • 価格 ¥1,012(本体¥920)
  • KADOKAWA(2022/06発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784040824222

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内容説明

衰退途上国から脱け出すために――。
なぜ、いつも頭(トップ)から腐るのか!?
不正で、無能で、腐敗した組織が続く構造的理由を、レジーム分析を続ける政治学者が剔抉する。

悪徳の三拍子がそろった時代。
不正=間違った政治理念を追求。ないしは、その理念に動機付けられている
無能=統治能力が不足している
腐敗=権力を私物化し、乱用している

第二次安倍政権以降の状況は「体制」と呼ぶ方が的確だ。
体制とはトップが入れ替わっても権力構造が基本的に変わらない状態を指し、個人名に重きを置く政権とは違う。
長期腐敗体制と化していった要因を洗い出し、シニシズム(冷笑主義)を打ち破る術を模索する。

■日本は腐敗した衰退途上国だ
■エリートがしっかりすれば国がうまくいくわけではない
■前線だが最前線ではない、という日本の位置 
■日本の戦後レジームの本質は朝鮮戦争レジーム
■日米の「価値観の共有」は空洞化している
■前提からおかしかった「デフレからの脱却」
■リフレ派も反リフレ派も勝者ではない
■中曽根は対米交渉カードをみずから放棄した
■冷戦秩序への回帰は不可能だ
■維新の会とデモクラシー
■二〇一二年体制と近代国民国家の終わり?

【目次】
序 章 すべての道は統治崩壊に通ず――私たちはどこに立っているか?
第一章 二〇一二年体制とは何か?――腐敗はかくして加速した
第二章 二〇一二年体制の経済政策――アベノミクスからアベノリベラリズムへ
第三章 二〇一二年体制の外交・安全保障1――戦後史から位置づける
第四章 二〇一二年体制の外交・安全保障2――「冷戦秩序」幻想は崩壊した
第五章 二〇一二年体制と市民社会――命令拒絶は倫理的行為である
あとがき
参考文献一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

128
長期腐敗体制とは2012年に始まる安倍・菅政権。白井先生は「安倍晋三は嘘つき、卑劣、卑怯、無責任で、彼が築いた2012年体制は愚の骨頂」と徹底的にこき下ろす。アベノミクスの三本の矢は、金融政策はリフレ派、財政政策はケインズ派、成長戦略はネオリベ派で、経済学の「ごった煮」と一刀両断。外交は、東アジアの冷戦構造に依拠して国体の護持を金科玉条にしているだけだと。各種の忖度が横行する中、安倍政権に対し一貫した主張を続ける白井先生は立派だと思う。元首相の悲劇的な最期への哀悼と、政権の歴史的評価は、峻別しておきたい。2022/09/05

とよぽん

54
白井 聡さんの鋭い分析と批判、そして怒りが後半にいくにつれて激しく語られていた。2012年体制とはなるほど! 民主主義は内部から根底から腐敗し、心ない利権指向の政治家が衆愚を都合よくあしらって、さらに腐敗を広げて行く。国民をこんなにも苦しめ追い込んできた政権与党が、なぜまた選挙で勝つのか、そのわけもわかった。対米従属の日本が今後の世界情勢にどう立ち回っていくのか、そして国内では腐敗と無能を返上して弱者救済を進めることができるのか、有権者の責任を互いに問いながら、私たちは声を上げていこう。2022/11/27

ネギっ子gen

46
【この体制の統治パフォーマンスは決して褒められたものではないのに、なぜ退場させられないのだろうか】2012年に成立し現在まで続いている「体制」について論じることを通して、そうなった要因を洗い出し、シニシズムを打ち破る術を模索する書。 2022年刊。戦後日本社会全般の<行き詰まりと劣化は、戦前以来の体制が敗戦後の民主化を経ても生き残ってしまったという歴史的事情に根差す一方で、アメリカの相対的衰退、中国の台頭、グローバルな経済構造の変化、国民国家システムの機能不全といった、新しい状況にも根差しています>と。⇒2025/02/19

Isamash

39
思想史家・政治学者の白井聡(1977年生まれ、京都精華大学教員)2022年発行著作。安倍・菅政権を2012年体制と称して不正・無能・腐敗、更にアベノミクスの根本的問題点を論じている。官僚組織内部から多くの体制批判者も現れており安倍氏個人の問題というより、日銀や司法・官僚機構も含めて政治主導の不在のため、統治システム全体の崩壊が起きていると。今起きていることを考えると非常に説得力が有る。確かに日銀の安倍政権への屈服・妥協・デフレ脱却の旗振りは本当に罪が深い。ようやく安倍政治の冷静な検証がなされる様になった。2024/02/19

ミライ

37
2012年~2022年初頭くらいまで(一部自民党55年体制の話もあり)の、10年間の日本の政治について分析された一冊(帯の「なぜいつも頭(トップ)から腐るのか」のインパクト大)。本書では、2012年に自民党が大勝してからこれまで続く政治体制(安倍晋三総理→菅義偉総理→岸田文雄総理)を「2012年体制」と表現して、2012体制が行ったアベノミクスや安全保障問題、コロナ対策などが著者の解釈で分析される。ここ10年くらいの日本の政治の本質を知りたい人にオススメ。2022/06/29

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