内容説明
戦国末期、島津軍の猛攻により滅亡寸前の大友家。敵の大軍勢が迫るなか、居城の留守を預かる吉岡妙林尼は女子供、年寄りと共に、寡兵での籠城を決断、徹底抗戦の道を選ぶ。それは武家の嫁としての誇りと、恋人と夫の命を奪った敵への復讐のためだった――。奇跡の鶴崎城攻防戦で島津軍を十六度撃退したと伝わる〈九州のジャンヌ・ダルク〉の波乱の生涯を描く。
感想・レビュー
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しんごろ
124
九州のジャンヌ・ダルクと言わしめた吉岡妙林尼の話。謎めいた妙林尼を、赤神諒氏が見事な物語に仕上げてる。妙(妙林尼)の恋物語をベースに、当時のキリスト教の信仰、耳川の戦いでの彼女の活躍、大友宗麟の人となりなど、ぐいぐいと引き込まれ読み進めれた。耳川の戦いのシーンは少ないけれど、その戦いのシーンは、すごく良かった。かなわなかった恋にも負けず、誇りと信念を持ち、愛に生きる妙は、まさに女傑と言っていいだろう。戦国の世には、まだまだ知らぬ才能のある者がいるもんだ。2025/03/25
グランくん
1
豊後鶴崎城の吉岡家の後家、吉岡妙林を描いた物。落ちぶれる大友家の家老高橋招運に支える吉岡家。迫り来る島津は、関白秀吉の軍勢を戸次川で破り、鶴崎城に押し寄せる。島津の使者伊集院は、開城を迫るが妙林は戦う事を選ぶ。家臣の大半が、主である宗麟が籠る丹生島城へ駆けつけているにもかかわらず。妙林の夫は、十年ほど前の耳川の戦いで島津敗れ、伊集院に討ち取られたのであった。そして、かつて愛しく思った男もまた。。。2024/10/25
tako_machida
1
吉岡妙林尼が主人公と興味深い題材を選んでいます。恋愛、宗教、戦と様々な要素が絡んで面白いのですが、ドキドキ感はないものの赤神さんの西日本の戦国モノに大きなハズレはない感じ。2022/10/22
ひろゆき
1
攻防戦が主なのかと思ったら、それに至るまでの話でした。2022/06/30
松爺
0
まだまだ世に埋もれた英雄がいる。2022/12/04