内容説明
時は明治初頭。勝海舟は持ち込まれた様々な難事件に、“明治の大頭脳”らしい“安楽椅子探偵”ぶりを発揮して鋭い推理を披露するのだが、さてその首尾は如何に…。戦後文学の旗手・坂口安吾の連作ミステリー。
(※本書は2006/9/1に発売し、2022/6/9に電子化をいたしました)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ひかつば@呑ん読会堪能中
3
勝海舟をアームチェアディティクティブとしながら犯人を見つけ出すのは洋行帰りの探偵結城新十郎という明治20年頃を舞台とする短編連作。冒頭、読者への挑戦状があるので推理しながら読んでいたが、いつの間にか話の面白さに惹かれ、考えるより先に読み進めていた。本作は昭和25年から27年にかけて20作連載された作品のうち1話から7話まで収録しているとのこと。できれば残り13話も読みたいな。2013/01/24
集積屋
1
『UN-GO 因果論』小説版に続いて読了。故に「魔教の怪」に目を奪われがちでしたが、むしろ読み終えての感想としては「ああ無情」と「万引一家」が心に残り、成程UN-GO本編初期にて重点を置いて翻案されたのも頷く思い。解説の通り、出版当時の終戦後と作中の時代を鏡映しに見せるというテーマ性は現代においてより深い意味を持ちそうですが、それにもまして軽妙な文体と登場人物の掛け合いによって、古臭さを感じさせずに苦もなく読ませる手腕に脱帽。2012/03/02
萩柚月
0
「読者への口上」+「舞踏会殺人事件」から「石の下」までの7作品収録。2019/10/09




