内容説明
近年、美術館では、絵画や彫刻だけでなく、アニメ、ファッション、デザインなど、様々な展覧会が開かれて、コロナ禍でもオンライン展示などを駆使して発信を続けている。そもそも、ミュージアムとはいかなる存在で、どのように社会にメッセージを送ってきたのだろうか。
ルーヴル美術館、万国博覧会、MoMA、ヴィクトリア&アルバート博物館、東京国立博物館、日本民藝館、セゾン美術館、森美術館、アイヌ民族博物館――国内外の重要なミュージアムや展示をピックアップして、各館の歩みや社会的な役割を丁寧に解説する。
様々なケーススタディーを通して、ミュージアムの思想や社会的な機能はもちろん、ミュージアムが内包する政治性、グローバリゼーションとの関わりを検証して、メディアとしてのミュージアムの可能性を描き出す。
目次
はじめに
序 章 ミュゼオロジーからミュージアムスタディーズへ
第1章 ムセイオンからミュージアムへ
1 ワイン倉庫を模した美術館
2 ムセイオン――ミュージアムの起源
3 ムセイオンからミュージアムへ――古代・中世
4 キャビネットの誕生
5 ルネサンスとバロック――キャビネットの展開
6 イタリアのキャビネット
7 アルプス以北のキャビネット
8 バロック期のキャビネット
9 キャビネットの終焉
10 ミュージアムの成立
11 博物学の誕生
12 キャビネットとエピステーメー
13 ミュージアムの形成
第2章 ルーヴル美術館の歴史と特徴
1 世界三大美術館
2 複雑な歴史的経緯
3 グラン・ルーヴル・プロジェクト
4 ルーヴルの現在
5 視線の重層化と不特定の主体
6 博物館と美術館
7 一国美術と広域美術
8 共同体の文化的基礎
9 ランスのルーヴル
第3章 万国博覧会と美術の関係
1 万博とミュージアム
2 メディアとしての博覧会
3 万博都市パリ
4 万博とファシズム
5 万博と植民地
6 第二次世界大戦後の万博の趨勢
7 大阪万博――未曾有の国家的イベント
8 紀元二千六百年博の再来
9 万博美術展
10 愛・地球博――二十一世紀の万博像
11 世博会博物館と大阪・関西万博
第4章 MoMAと近代美術
1 新しい美術館の誕生
2 初代館長アルフレッド・バー・Jr
3 「キュビスムと抽象芸術」展
4 「幻想美術、ダダ、シュルレアリスム」展
5 拡張するコレクション
6 MET、ホイットニーとの協定と「近代美術」の拡張
7 現代美術の司令塔
8 ジャンルの再構成
9 フィリップ・ジョンソン――もう一人の大立者
10 自国中心主義的な視点
11 その後のMoMA
12 データベースを体現する空間
第5章 オルセー美術館とポンピドゥー文化センター
1 印象派の黎明
2 駅舎から美術館へ
3 光の館オルセー
4 新たな複合文化施設の登場
5 幻の二十世紀美術館構想
6 空想の美術館
7 「前衛芸術の日本」と「大地の魔術師たち」
8 メス分館――ポンピドゥーの地域戦略
9 ソフィア王妃芸術センター
10 川崎市市民ミュージアムの趨勢――日本のポンピドゥー
第6章 デザインミュージアムとは何か
1 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館――世界初のデザインミュージアム
2 ロンドン万博から産業博物館へ
3 サウスケンジントン博物館の開館
4 ミュージアムによる社会変革
5 その後のV&A
6 デザインミュージアムの意義
7 ダンディー別館
8 ロンドン・デザインミュージアム
9 MoMAのデザイン展示:1
10 MoMAのデザイン展示:2
11 ヴィトラデザインミュージアム
12 幻の秋葉原デザインミュージアム
13 「つくろうデザインミュージアム」以降
14 D?8とJDM構想
15 デザインミュージアムへの胎動
第7章 上野公園の美術と記憶――ミュージアム・パークのゆくえ
1 東博のリニューアル
2 「文化の森」以前の上野公園
ほか
感想・レビュー
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