ミュージアムの教科書 - 深化する博物館と美術館

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ミュージアムの教科書 - 深化する博物館と美術館

  • 著者名:暮沢剛巳
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 青弓社(2022/05発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784787274458

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内容説明

近年、美術館では、絵画や彫刻だけでなく、アニメ、ファッション、デザインなど、様々な展覧会が開かれて、コロナ禍でもオンライン展示などを駆使して発信を続けている。そもそも、ミュージアムとはいかなる存在で、どのように社会にメッセージを送ってきたのだろうか。

ルーヴル美術館、万国博覧会、MoMA、ヴィクトリア&アルバート博物館、東京国立博物館、日本民藝館、セゾン美術館、森美術館、アイヌ民族博物館――国内外の重要なミュージアムや展示をピックアップして、各館の歩みや社会的な役割を丁寧に解説する。

様々なケーススタディーを通して、ミュージアムの思想や社会的な機能はもちろん、ミュージアムが内包する政治性、グローバリゼーションとの関わりを検証して、メディアとしてのミュージアムの可能性を描き出す。

目次

はじめに

序 章 ミュゼオロジーからミュージアムスタディーズへ

第1章 ムセイオンからミュージアムへ
 1 ワイン倉庫を模した美術館
 2 ムセイオン――ミュージアムの起源
 3 ムセイオンからミュージアムへ――古代・中世
 4 キャビネットの誕生
 5 ルネサンスとバロック――キャビネットの展開
 6 イタリアのキャビネット
 7 アルプス以北のキャビネット
 8 バロック期のキャビネット
 9 キャビネットの終焉
 10 ミュージアムの成立
 11 博物学の誕生
 12 キャビネットとエピステーメー
 13 ミュージアムの形成

第2章 ルーヴル美術館の歴史と特徴
 1 世界三大美術館
 2 複雑な歴史的経緯
 3 グラン・ルーヴル・プロジェクト
 4 ルーヴルの現在
 5 視線の重層化と不特定の主体
 6 博物館と美術館
 7 一国美術と広域美術
 8 共同体の文化的基礎
 9 ランスのルーヴル

第3章 万国博覧会と美術の関係
 1 万博とミュージアム
 2 メディアとしての博覧会
 3 万博都市パリ
 4 万博とファシズム
 5 万博と植民地
 6 第二次世界大戦後の万博の趨勢
 7 大阪万博――未曾有の国家的イベント
 8 紀元二千六百年博の再来
 9 万博美術展
 10 愛・地球博――二十一世紀の万博像
 11 世博会博物館と大阪・関西万博

第4章 MoMAと近代美術
 1 新しい美術館の誕生
 2 初代館長アルフレッド・バー・Jr
 3 「キュビスムと抽象芸術」展
 4 「幻想美術、ダダ、シュルレアリスム」展
 5 拡張するコレクション
 6 MET、ホイットニーとの協定と「近代美術」の拡張
 7 現代美術の司令塔
 8 ジャンルの再構成
 9 フィリップ・ジョンソン――もう一人の大立者
 10 自国中心主義的な視点
 11 その後のMoMA
 12 データベースを体現する空間

第5章 オルセー美術館とポンピドゥー文化センター
 1 印象派の黎明
 2 駅舎から美術館へ
 3 光の館オルセー
 4 新たな複合文化施設の登場
 5 幻の二十世紀美術館構想
 6 空想の美術館
 7 「前衛芸術の日本」と「大地の魔術師たち」
 8 メス分館――ポンピドゥーの地域戦略
 9 ソフィア王妃芸術センター
 10 川崎市市民ミュージアムの趨勢――日本のポンピドゥー

第6章 デザインミュージアムとは何か
 1 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館――世界初のデザインミュージアム
 2 ロンドン万博から産業博物館へ
 3 サウスケンジントン博物館の開館
 4 ミュージアムによる社会変革
 5 その後のV&A
 6 デザインミュージアムの意義
 7 ダンディー別館
 8 ロンドン・デザインミュージアム
 9 MoMAのデザイン展示:1
 10 MoMAのデザイン展示:2
 11 ヴィトラデザインミュージアム
 12 幻の秋葉原デザインミュージアム
 13 「つくろうデザインミュージアム」以降
 14 D?8とJDM構想
 15 デザインミュージアムへの胎動

第7章 上野公園の美術と記憶――ミュージアム・パークのゆくえ
 1 東博のリニューアル
 2 「文化の森」以前の上野公園
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

kenitirokikuti

11
図書館にて。元は15〜20年前に刊行された2冊なのだが、2019年に(第25回ICOM総会、日本で初開催)増補して刊行と決まったそうな。第26回が22年8月プラハ開催で、本書の刊行は先立って22年5月▲第25回では博物館の定義をSDGs寄りに寄せた理念的なものに変更する動きがあったが、急すぎるとして定義変更は先送りに(並行するのがウポポイ、国立アイヌ民族博物館)。本書刊行後に行われた第26回変更にはなったが文面はだいぶ穏健なものに▲日本にアートの公的ミュージアムはたくさんあるが、デザインのものはない。2025/04/21

すわ

1
今のわたしには難しすぎた〜…もっと知識が増えたら読み返したい2022/08/19

Go Extreme

1
グローバリゼーション・オンライン動向 ミュージアムの展示の対象が大きく拡大 ミュゼオロジーからミュージアムスタディーズへ ムセイオンからミュージアムへ ルーヴル美術館の歴史と特徴 万国博覧会と美術の関係 MoMAと近代美術 オルセー美術館とポンピドゥー文化センター デザインミュージアムとは何か 上野公園の美術と記憶―ミュージアム・パークのゆくえ 思想としての日本民藝館 セゾン美術館から森美術館へ―〈文化〉の転換と美術館 グローバリゼーションとICOM倫理規定―ミュージアムスタディーズの観点から2022/07/11

Mentyu

0
博物館・美術館を対象とした意味でのミュージアムに関する論文をまとめた内容。古代のムーセイオンから、北海道のウポポイまで、ミュージアムの歴史を総説している。2025/11/22

その他

0
ミュージアムの歴史や定義からといった広い範囲から、国内での百貨店美術館の歴史やアイヌ記念館のような焦点を絞ったところまで楽しめた。特に百貨店の美術についてはざっくりしか知らなかったので、西武美術館の功績や、NADiffについての文脈を知ることができたのが大きい。場所の役割は定義の範囲とともの流動的に変化していく物だけど、美術館や博物館は年々それらの影響を受け続ける、難しくも尊い場所だなと思う。2024/01/02

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