ちくま学芸文庫<br> 評伝 岡潔 ――花の章

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ちくま学芸文庫
評伝 岡潔 ――花の章

  • 著者名:高瀬正仁【著者】
  • 価格 ¥1,595(本体¥1,450)
  • 筑摩書房(2022/05発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480510952

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内容説明

昭和13年、広島文理科大学を辞して紀州和歌山の山村紀見村に帰郷した岡潔は、多変数解析関数論の曠野の開拓に数学の将来を託し、秋霜烈日の研究生活に身心を投じた。芭蕉の連句に沈潜し、道元の『正法眼蔵』に親しみ、無名女流歌人の歌に共鳴し、蛍狩りを楽しみながら日々を送る岡。岡にとって抽象的な論理も計算も数学の本体ではなく、数学の泉はいつも情緒にあった。第2巻は絶頂期から、第一エッセイ集『春宵十話』の結実、文化勲章受章、逝去にいたるまでの人生行路を鮮明に描写する。天才数学者の評伝、ここに完結。

目次

中谷兄弟との邂逅
フランス留学 「雪の博士」 中谷治宇二郎の来仏(一) 中谷治宇二郎の来仏(二) パリの日々 考古学 トノンからのたより 「白い家」
帰郷
紀見村の岡先生 東京出奔 伊豆伊東憧憬 中谷先生の友情 静岡逗留 診断書 休職同意書 白い鳥と黒い鳥 「岡の原理」の回想
お念仏のはじまり
みちさんの心情 依願免本官 お念仏のはじまり 光明会 「願い」の数学 第三の発見 ノーベル賞 光明会遍歴(一) 光明会遍歴(二)
武尊の麓
二人の無名女流歌人 「武尊の麓」(一) 「正法眼蔵」 唯一滴の露 「武尊の麓」(二) 江口家の滅亡
大戦下の札幌
北大への招待 第六論文 無名女流歌人の歌 札幌の夏の日々 帰郷 上京と再度の帰郷 大戦下の紀見村
不定域イデアルの理論と多変数代数関数論への道 ──数学ノート(二)
第七論文の初出テキストと原テキスト 岡潔の言葉(一)不定域イデアル 岡潔の言葉(二)数学の客観的形式と主観的内容 第七論文の二つのテキストの序文 第八論文の序文より 一九四四年のカルタンの論文「n個の複素変数の解析関数のイデアル」 一九四九年のカルタンの論文「複素変数の解析関数のイデアルとモジュール」 内分岐領域の理論
世界の数学者たちの来訪
東京日光「整数論」シンポジウム ニコラ・ブルバキ アンドレ・ヴェイユ(一回目の訪問) ジーゲルの来訪 アンドレ・ヴェイユ(二回目の訪問) アンリ・カルタンの来日
文化勲章
文化勲章 中谷宇吉郎との別れ 親授式 吉川英治との交友 同窓会
紫の火花の伝説 数学者「岡 潔」の夢の人生
『春宵十話』 水たまりの光 紀見村の日々 伝説と明日の数学
岡潔 略年譜
あとがき
文庫版あとがき

 

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