コールダー・ウォー:ドル覇権を崩壊させるプーチンの資源戦争

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コールダー・ウォー:ドル覇権を崩壊させるプーチンの資源戦争

  • 著者名:マリン・カツサ【著】/渡辺惣樹【翻】
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 草思社(2022/05発売)
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  • ISBN:9784794221315

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内容説明

プーチンが仕掛ける新冷戦(コールダー・ウォー)が
アメリカの覇権を終焉させる!?

東西冷戦をはるかに超えた熾烈な戦いが始まった。
ロシア・プーチンは膨大なエネルギー資源を武器に、
アメリカ覇権の核心たるペトロダラーシステム(ドルベースの資源取引)を打ち砕き、
大ロシア帝国を再興するべく世界各地で着々と歩を進めている。
ヨーロッパ各国は半ばプーチンの軍門に下り、オバマのアメリカの敗色は濃厚だ。
この劣勢は挽回できるのか。日本は一蓮托生、アメリカと共に沈むのか。
資源開発現場で得た最新情報をもとに、世界激震の背後にある
プーチンのしたたかな資源戦略を洞察。
現在の米露関係とロシアによる覇権争いを予見した全米ベストセラー。

<目次より>
第1章 失われた十年の終わり
失われた十年/モスクワデビュー/アパート爆破事件/第二次チェチェン戦争/プーチンの実権掌握

第2章 新興財閥(オリガリヒ)との戦い
共産主義体制崩壊で生まれたビジネスチャンス/ミハイル・ホドルコフキー追い落とし/株式引換券(バウチャー)の買い占め/ユコスの手法/プーチンからの提案/鉄槌/死屍累々/誰もが気づいたプーチンの思惑/生き残った男たちの栄華/プーチンのグランドデザイン

第3章 グレートゲームと新冷戦
最初の一滴/パイオニア/巨大化/石油、戦争そして平和/貨幣の歴史とドル支配工作/誰にも必要とされるドル/トリック

第4章 スラブ戦士プーチンの登場
幼少期/青年期/スパイ時代/グルジア問題 その一/グルジア問題 その二

第5章 ウクライナ問題
プーチンのウクライナ観/天然ガスパイプライン問題/セヴァストポルおよびクリミア半島/ロシアの安全保障/緩衝国/ソビエト崩壊後の対ウクライナ外交/選挙/マイダン改革分析/クリミアはロシアに還る/【ウクライナのエネルギー資源事情/炭層メタンガス(coal bed methane:CBM)】

第6章 プーチン分析
ユーラシアユニオン構想の狙い/繰り返す歴史

第7章 プーチンの石油戦略
北極圏石油開発/ヨーロッパ石油事情/ロスネフチ社/OPECへの気配り/石油パイプライン敷設

第8章 天然ガス戦略
新パイプライン建設/LNG(液化天然ガス)戦略/ヨーロッパ事情/ガスプロム社/アフリカ戦略

第9章 ウラン戦略
長期的に不足するウラン資源/ウランの基礎知識/供給量不足を補う暫定的要因/プーチンのウラン戦略/ウラン鉱山囲い込み/モンゴルにおけるウラン開発/最終目標/ウラン市場の短期的ダブつき傾向

第10章 対中東戦略
第11章 黄昏のペトロダラーシステム
第12章 ペトロダラーシステム崩壊後の世界
日本語版のための最終章

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

lovemys

8
結局、天然資源か。数多くの戦争は、そこに行き着く。ロシアを愛するプーチンは、ロシアの資源も利権も他国に譲らない。ロシアがEUに加盟して、ヨーロッパと手を組もうとしてもアメリカが許さない。EUもアメリカには逆らえない。そこに中国と中東、サウジアラビアが力を持ってきて……。日本、ポーッとしてて大丈夫なのか?(汗)ウクライナで起きてることが詳しく書かれていた。各国は、それを十分知っていて現状態にある。日本はアメリカと仲良くしてるだけじゃダメだろ。難しい話は斜め読みしたけど、興味深い内容でした。2023/01/10

ZEPPELIN

8
原油安でロシア経済がピンチ、というニュースはよく聞いた気がするけれど、全くそんなことはないとする著者。ロシアが天然資源大国であること、エネルギー面でヨーロッパのロシアに対する依存度が高いことなど、世界各地の反米の空気と合わせて、確かにプーチンの目指しているというドル体制の破壊も不可能ではないと思わされる。ただ、途中で投資を勧めるあたりにどうも嘘臭さが。とはいえ、我が国がエネルギー弱国であるのは事実であり、過去にはそれで痛い目にも遭っている。アメリカ支配の体制を信用しすぎてはいけない2015/09/26

横浜中華街2024

4
原題は「超冷戦」。アメリカに対抗するプーチンの資源戦略についてカナダ人のシンクタンク研究員が分析したもので、非常に内容の濃い価値ある一冊である。プーチン以降のロシアの歴史と戦略、その他の国々のエネルギー戦略の歴史が非常にわかりやすく描かれている。地政学のカプランなどもそうだが、欧米のシンクタンクには(博士号など特に持っていなくても)非常に優秀でpracticalな思考の研究員がいるようだ。やはり日本とは人材の層が違うのだろうか。政治・外交・エネルギー問題などに興味のある方は必読の書。2015/08/27

ソウ

3
大変興味深い内容。米は、金に裏付けられた貨幣制度から石油にリンクしたドル制度(ペトロダラーシステム)を構築し、強大な軍事力を背景に、 「放漫な金融政策」と「過干渉外交」を実施してきた。しかし、リーマン・ショックや中東の混乱等の原因に。プーチンは豊富なエネルギー資源を武器に、傲慢な米のドル支配からの脱却を目指す。あまり触れられていないが、習近平も然り、中露が接近するのは当然。本書を読めば、米一辺倒の日本の安全保障や外交政策は非常に危険に感じられる。あとやはり金は持っておいた方が良さそう。2015/08/03

guanben

2
ドルの「強さ」の要因は、石油貿易の決済通貨だから。プーチンの狙いは、ロシアの豊富な地下資源を武器に、石油=ドルの壁を突き崩そうというもの。アジア・中東・アフリカを巻き込んでアメリカの牙城に挑んでいく様をレポート。2014年の作品なので、最新版にアップデートしたものを読んでみたい。この時点で、ロシアとウクライナの関係は悪く、クリミア併合→全土侵攻もさもありなんという感じだが、一方でウクライナを餌にして、アメリカがプーチンをハメたんじゃないかと思えてくる。ドル打倒の構想は頓挫したわけだから。2022/12/14

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