内容説明
「食物繊維は体にいいから消化もいい」と語っている学生に、そもそも消化ができないものを食物繊維ということを説明すると、では「消化できないものが体に必要なのか」ときかれて、これは正しい食の知識が必要だと感じた著者。
体にいい、悪いで語られがちな食べものについて、多くの人がわかっているようでわかっていないという実態を感じて、現在わかっている食の科学を理解し、正しい情報の受け取り方ができるようにという思いで執筆した1冊。栄養学的な面と、複雑な体の代謝のしくみをなるべくやさしい言葉で解説します。
食品によっては、時代的背景も関係していたり、健康ブームの空気にのって「良い食べもの」になっているものも。食と代謝はまだまだ解明されていないことも多いのですが、わかっていることをクリアにしながら、誤った認識に陥らない方向を示します。
序章 食べ物、その正体とは
第1章 食べ物に含まれる栄養素の真実
第2章 消化と吸収から考える食べもの
第3章 体のなかで栄養素はどんな働きをしているのか
第4章 血液という体液から考える食べもの
第5章 筋肉、骨、皮膚と食べもの
第6章 脳と神経に作用する食べもの
第7章 健康な食べものは本当に体に良いのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けぴ
43
自然食品は成分が明瞭で無い場合もあり、意外と危険との指摘が興味深かった。糖分が不足すると脂肪を使用してエネルギーを生み出すことから、空腹時に運動すると効率的に脂肪を消費してシェイプアップになりそうです。クエン酸回路の復習も出来、通常の新書と比較してブルーバックスは硬派な感じが全体的に良かった。2023/04/04
テト
16
私たちが食べる食品がどのようにからだに作用をもたらすのか、栄養の視点からスタンダードに書かれている。さまざまな状況に変化するからだの状態があり、食べる食品中の栄養素もそれぞれに含まれており、そのバランスの上で成り立っているものと改めて感じることが出来た。どのような食べ物でも食べ過ぎは良くないし、不足は良くない、けれどもそうなってしまうのが人間かもしれない。2023/08/04
kuukazoo
13
食べたものが体内で消化吸収されエネルギーを取り出したり体に必要なものへ変える仕組みが「代謝」と呼ばれる複雑な化学反応の連鎖。生物の授業で出てきたATPその他の代謝回路や様々な化合物の名前が頻出するのでなかなか理解しづらいが、それらの働きがあるからこそ健康な状態を維持できている。結局どんなに体によいものでも食べすぎはNGだし糖質や脂質を取らなさ過ぎなのもよくない。体内での栄養素の働きを正しく知ってバランスよく食べるのが大切という当たり前の結論だったが、それほど今は情報が玉石混淆ということかと思った。2023/01/27
miso soup
9
面白かった。今まで何となく持っていた食品のイメージも、そんなに正しくないのだなと痛感した。五大栄養素・機能性成分が生体内でどのように挙動しているか、分かりやすい形で説明している。結局は、特定の食事法やサプリメントに偏り過ぎず、バランス良く食べることが健康への近道であると言える。一度読んだだけでは全て吸収できなかったので、いつか再読したいと思う。2023/01/19
sakadonohito
7
自分には少し難しく、読んだそばから内容が頭から抜けていった。。これがブルーバックス品質かぁと思いながら読んだ。大豆、青魚(サバ・カツオ・イワシ)がコスパ良さそうだなぁと雑な感想。どの食材(栄養素)も良い面と悪い面があり、悪い面を抑制するためにも複数の食材を使ったバランスの良い食事が必要なんだなと感じた。理系の本なのでズバリと簡潔に断定しない文章になっており、そのため読む人によってはモヤモヤするかもしれない。2024/03/10