創元推理文庫 図書室の死体

著者名：マーティ・ウィンゲイト【著】/藤井美佐子【訳】

東京創元社（2022/06発売）

• ISBN：9784488232054

内容説明

わたしはイングランドの美しい古都バースにある、初版本協会の新米キュレーター。この協会は、アガサ・クリスティなどの初版本の蒐集家だった故レディ・ファウリングが設立した。事務局は彼女の住まいだった館にあり、図書室にはその膨大なコレクションが所蔵されている。自分がこの職にふさわしいと証明しようと試行錯誤していたところ、ある朝、図書室でなんと死体が発見される。被害者は、勉強会で館を使っていた創作サークルのひとりだった……。本を愛する人々に贈る、ミステリ・シリーズ第1弾！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[W-G]

設定の妙で英国調の雰囲気はバッチリ。賛否が激しくわかれそうな主人公ヘイリーの造形もまぁ良し。ミズ・ウルガーを筆頭にシリーズものとして脇を固めるキャラクターも個性的ときて、残るは肝心のミステリ部分。コージーミステリと割り切ってしまえばそれでもいい。ただそれにしても、解決編というか、犯人看破の瞬間の盛り上げ方が上手くなく、もう少し意外性を演出することもできたのではと、もったいなく感じた。振られるためだけに出てきた彼氏の存在も、特に物語に寄与することなく蛇足。ヴァルがあまり魅力的ではないことも今後の大きな課題。

2024/01/25

[ばう]

★★★ミステリは一冊も読んだ事がないのを隠して英国バースにあるミステリの初版本協会のキュレーターとなったヘイリー。故レディ　ファウリングが蒐集した数々の初版本が収められた協会の図書室で死体が発見されヘイリーは犯人探しに乗り出すが。ミステリを堪能したいという方には不向き？かもしれないけれど軽く読むにはいいかも。中々親交を深められない事務局長との関係やヴァルとの恋の行方はちょっと気になるので次作も読むかもしれません（是非読みたい！というほどでは…）😅

2025/08/07

[佳蓮★道央民]

★★★★★★★七つ星✨めっちゃ久しぶりに海外ミステリーを読了して、面白かったです！！バークとヴァルの恋愛模様の続きが気になります！これ、絶対続きの2巻も出そうだなって言うか、出てくれないと困る😕まさか犯人があの人だとは思いませんでした😱予想してた犯人と違いました(笑)アガサ・クリスティの作品が読みたくなりました！アガサ・クリスティのオマージュ作品だったのかな？本好きにはとてもオススメです(*ˊ˘ˋ*)バンターっていう猫がめっちゃ可愛かった！！ありがとうございました！！2巻も楽しみです！！

2023/05/11

[Shun]

イギリスが舞台のビブリオミステリ新刊。図書室の死体と聞いてどこかで聞いた話だと思えば、勿論イギリスの有名作家アガサ・クリスティーへのオマージュに溢れたミステリとなっていました。主人公はイギリスの古都に設立されたミステリ関連の稀覯本が集められた図書室のキュレーターとして採用された新人。伝統を愛する理事会と二次創作が主の創作サークルとの間に入り折衝に苦心したり、ライブラリーのレガシーを世に宣伝する使命に奮闘する日々。そして図書室で遺体が発見され、皮肉にもミステリ小説の人物となってしまった彼女の謎解きが始まる。

2022/07/04

[えむむ]

よくあるけど、最初の微妙な状態から、徐々に良くなってホッとした。猫のバンターが癒し。ヘイリーが「書斎の死体」を読んで開眼してからは、すっかり応援団気分。そうそう、ミス・マープルいいよね！欲を言うなら、もっと早く読んで欲しかった。オマージュとして良くできてたけど、ハードル上げすぎではと次からが心配。有名どころのスタイルズ荘とか、もしくは杉の棺とかちょいマイナーにいくか、あとはもうアクロイドを違う視点からとかどうだろう

2023/08/25