日本経済新聞出版<br> サイバー文明論 持ち寄り経済圏のガバナンス

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日本経済新聞出版
サイバー文明論 持ち寄り経済圏のガバナンス

  • 著者名:國領二郎【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 日経BP(2022/05発売)
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  • ISBN:9784296113415

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内容説明

デジタル化の波の中で古くなった社会制度やそれを支える哲学をデジタル時代に適したものに根本から見直した方がいいのではないか? 20世紀に大成功した近代工業モデルを修正しながらデジタル経済に合わせてきたが、いよいよ矛盾が大きくなりすぎているのではないか? 過去の成功体験にこだわっていると単に落伍してしまうだけでなく、格差の拡大や監視社会の暴走などの形で不幸な未来につながってしまうのではないか? 明治維新の時に、単に蒸気船や電信を受け入れるだけでなく、政治体制から法律、芸術や言語にいたるまで造り直したように、今回も仕組みを全面的に再構築しないといけないのではないか? それは結局のところ、新しい文明を構築するということではないか? 
 トレーサビリティ、ネットワーク外部性、ゼロマージナルコスト、複雑系――。これらは、近代工業が生み出した、「大量生産品の排他的所有権を匿名の大衆に市場で販売(金銭と交換)する」モデルから「モノやサービスから得られる便益へのアクセス(利用)権を登録された継続ユーザーのニーズに合わせて付与する」モデルへと移行させる原動力となっている。本書ではそのようなモデルの普及の結果として、個人(法人含む)の交換をベースとした市場経済に替わって、個人が社会に貢献し社会から受け取る、「持ち寄り経済圏」が台頭し 、その経済メカニズムに適合したガバナンスメカニズムの構築が重要になることを論じる。

目次

I サイバー文明の夜明け
第1章 近代工業文明の基盤
第2章 文明の進化
第3章 デジタル経済で広がる格差と富の変質
 II 新しい時代を呼び込む四つの構造変化
第4章 ネットワーク外部性
第5章 ゼロマージナルコスト
第6章 トレーサビリティ
第7章 複雑系としてのサイバー文明
 III サイバー文明を創る技術
第8章 デジタルとネットワークが生み出すゼロマージナルコストの複雑系
第9章 IoT
第10章 クラウド、プラットフォームとAIが生み出す情報のネットワーク外部性
 IV 新しい文明の経済
第11章 所有権交換モデルからアクセス権付与モデル、そして「持ち寄り経済」へ
第12章 劣後サービスの大きな価値
第13章 サイバー文明における価値と富
 V サイバー文明の倫理と統治
第14章 デジタル社会の倫理とサイバー文明の精神
第15章 複雑系の統治機構としてのプラットフォーム
第16章 サイバー文明時代の民主主義
あとがきに代えて――技術システムと社会システムの統合

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kumoi

3
テクノロジーによって情報が民主化された社会が実現し、誰もが自らの意見の発信とあらゆる情報の収集ができるようになった。情報の真偽を確定されることは難しく、時にエンターテインメントとしてフェイクニュースが広く流布することもある。SNSのプラットフォーマーは、誤った情報を規制するべきであるが、一方で言論の自由も確保しなければならないという難しい状況にある。やはり、中央集権的な機関が社会を管理するという体制ではなく、ルールの制定と遵守のシステムを維持しつつ、自立分散的な社会を目指すべきなのかもしれない。 2022/05/31

Naohiko Oikawa

1
近代工業文明の基盤を匿名の人に商品を販売する所有権交換のモデルとし、デジタル技術のもたらす構造変化を①ネットワーク外部性、②ゼロマージナルコスト、③トレーサビリティ、それらの帰結の④経済システムの複雑系化の四要因とした上で、今日の巨大プラットフォーム事業者の寡占問題の本質が「所有権交換」のモデルが①②と組み合わさる点にあると指摘し、その解決策として、③により可能になった「アクセス権付与」モデルによる格差の緩和、④に対応しやすいオープンアーキテクチャへの転換など、技術と社会を俯瞰した本質的な提案をしている。2022/06/12

oritako

0
國領先生 (@jirok) の本ようやく読了。「持ち寄り」という言葉を選ばれたことに納得感。また、p.42で1999年時点にて「インターネットが情報の非対称性を解消する」といった読みが、今の段階では読み違えだったと書かれているが、つい数年前までは、個人の情報能力は確かに高まったと認識してたわけで、凄い勢いで世界が変わっていることを実感。 2022/08/09

Kanetaka M. Maki

0
デジタル技術の未来を考える上での好著。2022/06/01

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